刑法第213条・堕胎の罪
刑法第213条:同意堕胎及び同致死傷
女子の嘱託を受け、または承諾を得て堕胎させる罪です。1つの項のなかに基本の刑と致死傷の刑を並べる、146条と同じ構造です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
項が分かれてないのに、2つの刑が書いてある。146条と同じだ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よく覚えておったな。前段が基本、後段が致死傷。同じ作りは214条にも現れるぞ。
条文の内容
女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の拘禁刑に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
前段と後段
| 部分 | 内容 | 刑 |
|---|---|---|
| 前段 | 女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた | 2年以下の拘禁刑 |
| 後段 | よって女子を死傷させた | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
嘱託嘱託本人からの依頼。刑法202条(同意殺人)、213条(同意堕胎)、214条(業務上堕胎)が「嘱託を受け、又はその承諾を得て」という形で用いています。用語ページを見る →と承諾
「嘱託を受け、又はその承諾を得て」——刑法202条(同意殺人同意殺人人をその嘱託を受け、またはその承諾を得て殺すこと(刑法202条後段)。殺人罪より大幅に軽い6月以上7年以下の拘禁刑です。用語ページを見る →)とまったく同じ言い回しです。
| 条文 | 場面 |
|---|---|
| 刑法202条 | 人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した |
| 刑法213条 | 女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた |
| 刑法214条 | 医師等が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
本人の意思があると軽くなる、っていう構造は同じなんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。本人の意思が刑を左右する——202条と213条・215条は、同じ考え方で並んでおる。
212条・215条との比較
| 条文 | 誰が | 同意 | 刑 |
|---|---|---|---|
| 212条 | 女子自身 | — | 1年以下の拘禁刑 |
| 213条 | 他人 | あり | 2年以下の拘禁刑 |
| 215条 | 他人 | なし | 6月以上7年以下の拘禁刑 |
214条との違い
医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者が同じことをすれば、214条により3月以上5年以下の拘禁刑となります。213条前段の2年以下と比べ、大きく重くなります。
資格別の演習
女子の承諾を得て堕胎させ、よって女子を傷害した者は、3月以上5年以下の拘禁刑に処せられる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法213条後段の定めです。
同意堕胎同意堕胎女子の嘱託を受け、またはその承諾を得て堕胎させること(刑法213条前段)。よって女子を死傷させたときは、同条後段により重く処断されます。用語ページを見る →罪の法定刑は、妊娠中の女子自身による堕胎罪(刑法212条)より重い。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。212条が1年以下、213条前段が2年以下の拘禁刑です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の214条は、身分による加重じゃ。134条で見た顔ぶれがまた出てくるぞ。