刑法第197条の3・汚職の罪

刑法第197条の3:加重収賄及び事後収賄

賄賂を受けて実際に不正な行為をした場合の加重類型と、退職後に受け取る事後収賄を定めます。1年以上の有期拘禁刑は収賄関係で最も重い刑です。

  • 司法書士
  • 司法試験

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

1年以上の有期拘禁刑! 収賄のなかでいちばん重い。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

賄賂を受けただけでなく、現に職務を曲げたのじゃからのう。上限が「有期」——つまり20年(刑法12条1項)まで届く。197条の5年以下とはけたが違う。

条文の内容

項 内容 刑
1項 公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったとき 1年以上の有期拘禁刑
2項 公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、もしくはその要求・約束をし、または第三者にこれを供与させ、もしくはその供与の要求・約束をしたとき 前項と同様
3項 公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと等に関し、賄賂を収受し、またはその要求・約束をしたとき 5年以下の拘禁刑

1項と2項——順番が逆

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

1項と2項、何が違うの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

賄賂が先か、不正が先かじゃ。ここを取り違えると条文が読めぬぞ。

項 順序
1項 賄賂を受ける → その後に不正な行為をする(197条・197条の2の罪を犯し、「よって」)
2項 不正な行為をする → その後に賄賂を受ける(不正をしたこと「に関し」)

刑はいずれも1年以上の有期拘禁刑で同じです。加重収賄加重収賄かじゅうしゅうわい公務員が収賄・第三者供賄の罪を犯し、よって不正な行為をし、または相当の行為をしなかった場合の加重類型(刑法197条の3第1項)。1年以上の有期拘禁刑です。用語ページを見る →は、この2つをまとめた呼び名です。

3項——事後収賄事後収賄じごしゅうわい公務員であった者が、在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと等に関し、賄賂を収受等すること(刑法197条の3第3項)。退職後の授受を捉えます。用語ページを見る →

要件 条文の言葉
主体 公務員であった者(すでに退職している)
請託 その在職中に請託を受けて
対象 職務上不正な行為をしたこと、または相当の行為をしなかったことに関し
行為 賄賂を収受し、またはその要求・約束をした
刑 5年以下の拘禁刑

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

197条2項の事前収賄と対になってるんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そのとおり。公務員になる前が197条2項、公務員でなくなった後が197条の3第3項。条文は時間軸の前後を、それぞれふさいでおるのじゃ。

時間軸で整理する

時期 条文 請託 刑
公務員になる前 197条2項(事前収賄事前収賄じぜんしゅうわい公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し請託を受けて賄賂を収受等する類型(刑法197条2項)。公務員となった場合に5年以下の拘禁刑に処せられます。用語ページを見る →) 必須 5年以下の拘禁刑
在職中 197条1項・197条の2 前段は不要 5年以下/7年以下の拘禁刑
在職中(不正あり) 197条の3第1項・2項 — 1年以上の有期拘禁刑
退職後 197条の3第3項 在職中の請託が必須 5年以下の拘禁刑

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

公務員が収賄罪を犯し、よって職務上不正な行為をしたときは、1年以上の有期拘禁刑に処せられる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法197条の3第1項の定めです。

司法試験正誤問題AI生成類題

公務員であった者が、在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたことに関し、退職後に賄賂を収受したときは、刑法197条の3第3項により処罰される。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。事後収賄罪の定めです。在職中の請託が要件となります。

司法試験正誤問題AI生成類題

刑法197条の3第2項は、職務上不正な行為をした後に賄賂を収受した場合を対象としている。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。1項が賄賂を受けた後に不正をした場合、2項が不正をした後に賄賂を受けた場合です。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

次の197条の4は、自分の職務ではないことを対価にする類型じゃ。

一次情報を確認する