刑法第170条・偽証の罪
刑法第170条:自白による刑の減免(偽証の罪)
偽証罪を犯した者が、裁判の確定前または懲戒処分の前に自白したときの規定です。減軽・免除ができる期限を条文が明確に区切っています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
うそをついた後でも、正直に言えば助かる道があるんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ただし期限つきじゃ。「裁判が確定する前」または「懲戒処分が行われる前」——裁判が終わってしまえば、もう遅い。
条文の内容
前条の罪を犯した者が、その証言をした事件について、その裁判が確定する前又は懲戒処分が行われる前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
要件を分解する
| 要件 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 対象 | 前条の罪=偽証偽証法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をすること(刑法169条)。3月以上10年以下の拘禁刑です。用語ページを見る →罪(169条) |
| 事件 | その証言をした事件について |
| 期限 | その裁判が確定する前または懲戒処分が行われる前 |
| 行為 | 自白した |
| 効果 | 刑を減軽し、又は免除することができる |
「できる」の意味
自白による刑の減免自白による刑の減免偽証罪(刑法170条)・虚偽告訴罪(173条)について、裁判が確定する前または懲戒処分が行われる前に自白したときに、刑を減軽しまたは免除することができるという仕組み。いずれも任意的です。用語ページを見る →は任意的です。裁判所が減軽・免除するかどうかを判断します。
| 書き方 | 意味 |
|---|---|
| 刑を減軽する | 必要的減軽 |
| 刑を減軽し、又は免除することができる | 任意的(裁判所の判断) |
刑法105条(親族による犯罪に関する特例)が「刑を免除することができる」だったのと同じ型です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
105条は免除だけ、170条は減軽と免除の両方だね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
細かいところをよく見ておる。選べる手段の幅が違うわけじゃ。条文の末尾は、一字ずつ確かめるに値するぞ。
「懲戒処分が行われる前」
偽証罪は刑事裁判だけの話ではありません。宣誓宣誓証人・鑑定人等が真実を述べる旨を誓う手続。刑法169条・171条は「法律により宣誓した」者だけを主体としており、宣誓のない供述は偽証罪の対象になりません。用語ページを見る →して証言する場面には懲戒手続もあるため、条文は2つの期限を並べています。
173条との対応
| 条文 | 対象の罪 | 期限 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 170条 | 偽証罪(169条) | 裁判の確定前/懲戒処分の前 | 減軽または免除ができる |
| 173条 | 虚偽告訴等虚偽告訴等人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴・告発その他の申告をすること(刑法172条)。最高裁は、申告事実が虚偽であることの未必的な認識があれば足りるとしました。用語ページを見る →罪(172条) | 裁判の確定前/懲戒処分の前 | 減軽または免除ができる |
まったく同じ仕組みが、第二十一章にも置かれています。
資格別の演習
偽証罪を犯した者がその事件の裁判が確定する前に自白したときは、その刑は必ず減軽または免除される。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。刑法170条は「減軽し、又は免除することができる」と定める任意的減免です。
刑法170条による自白は、その証言をした事件の裁判が確定する前または懲戒処分が行われる前にされる必要がある。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。条文が期限を明示しています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の171条は、証人以外の人——鑑定人・通訳人・翻訳人を捉える条文じゃ。