刑法第161条・文書偽造の罪
刑法第161条:偽造私文書等行使
159条・160条の文書を行使する罪です。「前二条」という指し方が、対象を私文書に限る役割を果たしています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
158条とそっくりだけど、指してる条文が違うね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうじゃ。158条が「第154条から前条まで」=公文書、161条が「前二条」=私文書。指し先が守備範囲を決めておるわけじゃな。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 前二条の文書等または電磁的記録文書等を行使した者は、その文書等を偽造・変造し、または虚偽の記載・記録をした者と同一の刑に処する |
| 2項 | 前項の罪の未遂は、罰する |
「前二条」の範囲
| 条文 | 罪 |
|---|---|
| 159条 | 私文書偽造私文書偽造行使の目的で、他人の印章等を使用して権利・義務または事実証明に関する文書等を偽造すること等(刑法159条1項)。印章等を用いない場合は同条3項が軽い刑を定めます。用語ページを見る →等 |
| 160条 | 虚偽診断書等作成虚偽診断書等作成医師が、公務所に提出すべき診断書・検案書・死亡証書に虚偽の記載をすること(刑法160条)。私文書について無形偽造を処罰する数少ない規定です。用語ページを見る →作成 |
158条との対比
| 項目 | 刑法158条 | 刑法161条 |
|---|---|---|
| 対象 | 第154条から第157条まで(公文書) | 前二条=159条・160条(私文書) |
| 刑 | 作成者と同一の刑 | 作成者と同一の刑 |
| 未遂 | 2項で処罰 | 2項で処罰 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
対称に作られてるんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第十七章は、公文書のセットと私文書のセットが並んでおるのじゃ。154〜158条/159〜161条という2つのまとまりで捉えると、迷わずに済むぞ。
「同一の刑」の中身
| 行使した文書 | 刑 |
|---|---|
| 159条1項・2項の文書(印章等あり) | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
| 159条3項の文書(印章等なし) | 1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 |
| 160条の文書 | 3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
資格別の演習
医師が虚偽の記載をした診断書を行使した者は、その虚偽の記載をした者と同一の刑に処せられる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法161条1項の「前二条」には160条が含まれます。
偽造私文書等行使罪の未遂は処罰される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法161条2項が明文で定めています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第十七章の締めくくりは161条の2。紙ではない記録を守るために、後から加えられた条文じゃ。