刑法第34条・総則

刑法第34条:時効の中断

拘禁刑・拘留は「執行のために拘束すること」、罰金・科料・没収は「執行行為をすること」で時効が中断します。刑の種類による中断事由の違いを確認します。

  • 司法書士
  • 司法試験

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

時効が「中断」すると、どうなるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

それまで積み上げた期間が消えて、ゼロからの数え直しになる。時効の停止時効の停止じこうのていし一定の事由がある間、時効の進行が止まること(刑法33条)。止まっていた分だけ完成が遅れるだけで、それまでに経過した期間は消えません。用語ページを見る →よりずっと強い効果じゃ。第34条は、その中断がいつ起きるかを刑の種類ごとに定めておるのじゃよ。

条文の内容

項 刑 中断事由
1項 拘禁刑拘禁刑こうきんけい刑事施設に拘置する刑。刑法12条により無期と有期があり、有期拘禁刑は1月以上20年以下です。改善更生を図るため、必要な作業や指導を行うことができます。用語ページを見る →および拘留拘留こうりゅう刑法16条が定める、1日以上30日未満の期間、刑事施設に拘置する刑。刑事訴訟法上の身柄拘束である「勾留」とは別のものです。用語ページを見る → 刑の言渡しを受けた者をその執行のために拘束すること
2項 罰金罰金ばっきん一定額のお金を強制的に取り立てる財産刑。刑法15条により1万円以上で、減軽するときは1万円未満に下げることができます。用語ページを見る →、科料科料かりょう刑法17条が定める、千円以上1万円未満の財産刑。行政上の制裁である「過料」とは別のもので、区別のため「とがりょう」と読み分けることがあります。用語ページを見る →および没収没収ぼっしゅう犯罪に関係する物の所有権を国に強制的に移す付加刑(刑法19条)。犯人以外の者に属する物は、その者が犯罪後に事情を知って取得した場合を除き、没収できません。用語ページを見る → 執行行為をすること

自由刑と財産刑で事由が違う

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

どうして分けてあるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

執行のかたちが違うからじゃ。自由刑は身柄を押さえることが執行の入口、財産刑は取り立ての行為が執行そのもの。それぞれに合った出来事を中断事由にしておるのじゃよ。

1項(拘禁刑・拘留) 2項(罰金・科料・没収)
刑の性質 自由刑 財産刑・付加刑
中断事由 執行のための拘束 執行行為

1項が求めているのは「その執行のために拘束すること」です。別の事件で身柄を拘束されただけでは、この条文が想定する中断事由にはあたりません。

停止・中断の整理

条文 制度 効果 主な事由
33条1項 停止 進行が止まる 法令により執行を猶予・停止した期間
33条2項 停止 進行が止まる 言渡しを受けた者が国外にいる期間(没収を除く)
34条1項 時効の中断時効の中断じこうのちゅうだん一定の事由によって、それまで経過した時効期間が効力を失い、ゼロから数え直しになること(刑法34条)。進行が止まるだけの停止より効果が強い制度です。用語ページを見る → 数え直し 執行のための拘束(拘禁刑・拘留)
34条2項 中断 数え直し 執行行為(罰金・科料・没収)

刑法33条2項が没収を除いていたのに対し、34条2項には没収が含まれている点も対比しておきたいところです。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

拘禁刑の時効は、刑の言渡しを受けた者をその執行のために拘束することによって中断する。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法34条1項が定めています。拘留についても同様です。

司法書士正誤問題AI生成類題

罰金の時効は、執行行為をすることによって中断する。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法34条2項が定めています。科料および没収も同様です。

司法試験正誤問題AI生成類題

没収の時効は、刑の言渡しを受けた者を執行のために拘束することによって中断する。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。没収は刑法34条2項の対象であり、中断事由は「執行行為をすること」です。拘束による中断は同条1項の拘禁刑・拘留についての定めです。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

「自由刑は拘束、財産刑は執行行為」。この対応が言えれば、第34条は仕上がりじゃよ。

一次情報を確認する