刑法第34条の2・総則
刑法第34条の2:刑の消滅
刑の執行を終えた者などが、一定期間さらに罰金以上の刑に処せられなければ、刑の言渡しが効力を失います。10年・5年・2年という数字を押さえます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
刑を終えたら、それでおしまい……じゃないの? 前科ってずっと残るって聞いたけど。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこに救いの道を用意したのが第34条の2じゃ。一定の期間、罰金以上の刑を受けずに過ごせば、刑の言渡し自体が効力を失う。社会復帰のための条文なのじゃよ。
条文の内容
1項——執行を終えた者・免除を得た者
| 対象 | 期間 | 効果 |
|---|---|---|
| 拘禁刑拘禁刑刑事施設に拘置する刑。刑法12条により無期と有期があり、有期拘禁刑は1月以上20年以下です。改善更生を図るため、必要な作業や指導を行うことができます。用語ページを見る →以上の刑の執行を終わり、またはその執行の免除を得た者 | 10年 | 刑の言渡し刑の言渡し裁判所が判決で具体的な刑を告げること。執行猶予期間が無事に経過したとき(刑法27条1項)や刑の消滅(刑法34条の2)では、この言渡し自体が効力を失います。用語ページを見る →が効力を失う |
| 罰金罰金一定額のお金を強制的に取り立てる財産刑。刑法15条により1万円以上で、減軽するときは1万円未満に下げることができます。用語ページを見る →以下の刑の執行を終わり、またはその執行の免除を得た者 | 5年 | 同上 |
いずれも「罰金以上の刑に処せられないで」その期間を経過することが要件です。
2項——刑の免除の言渡しを受けた者
刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで2年を経過したときは、刑の免除の言渡しが効力を失います。
数字の整理
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
10年・5年・2年……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
基準は「拘禁刑以上か、罰金以下か」じゃ。重い刑ほど長く待つ。2年は刑の免除を受けた場合の特則じゃな。
| 場面 | 期間 | 条文 |
|---|---|---|
| 拘禁刑以上の執行終了・免除 | 10年 | 1項前段 |
| 罰金以下の執行終了・免除 | 5年 | 1項後段 |
| 刑の免除の言渡し | 2年 | 2項 |
「執行の免除を得た者」も含まれる
1項は「刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者」を対象としています。刑法31条の刑の時効刑の時効刑の言渡しが確定した後、一定期間その執行を受けないことで執行の免除を得る制度(刑法31条・32条)。死刑は対象から除かれています。用語ページを見る →によって執行の免除を得た者も、ここに含まれます。
他の「効力を失う」制度との比較
| 制度 | 効果 | 条文 |
|---|---|---|
| 執行猶予期間の経過 | 刑の言渡しが効力を失う | 27条1項 |
| 刑の消滅刑の消滅刑の執行を終えた者などが、一定期間さらに罰金以上の刑に処せられなかったときに、刑の言渡しが効力を失う制度(刑法34条の2)。資格制限からの回復を目的とします。用語ページを見る → | 刑の言渡しが効力を失う | 34条の2 |
| 刑の時効 | 執行の免除を得る | 31条 |
いずれの場合も、資格制限からの回復という実際的な意味を持ちます。刑法27条3項2号や27条の7第3項2号が「人の資格に関する法令の規定」に触れているのも、同じ関心からです。
資格別の演習
拘禁刑の執行を終わった者が、罰金以上の刑に処せられないで10年を経過したときは、刑の言渡しは効力を失う。
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解答:◯
正しい記述です。刑法34条の2第1項前段が定めています。罰金以下の刑の場合は5年です。
罰金の執行を終わった者は、罰金以上の刑に処せられないで10年を経過してはじめて刑の言渡しが効力を失う。
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解答:×
誤りです。刑法34条の2第1項後段により、罰金以下の刑の執行を終わった者については5年です。10年は拘禁刑以上の場合です。
刑の免除の言渡しを受けた者が、その確定後、罰金以上の刑に処せられないで2年を経過したときは、刑の免除の言渡しは効力を失う。
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解答:◯
正しい記述です。刑法34条の2第2項が定めています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「拘禁刑以上は10年、罰金以下は5年、刑の免除は2年」。ここまでで第一編の第六章は終わり。次からは犯罪の不成立の話に入るぞ。