刑法第33条・総則
刑法第33条:時効の停止
法令により執行を猶予・停止した期間と、刑の言渡しを受けた者が国外にいる期間は、刑の時効が進行しません。中断との違いを確認します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
国外に逃げて隠れていれば、そのうち時効が完成しちゃうんじゃない?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこを塞いだのが第33条2項じゃ。国外にいる間は時効が進まん。逃げ得はさせぬ、ということじゃな。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 刑の時効刑の時効刑の言渡しが確定した後、一定期間その執行を受けないことで執行の免除を得る制度(刑法31条・32条)。死刑は対象から除かれています。用語ページを見る →は、法令により執行を猶予し、又は停止した期間内は、進行しない |
| 2項 | 拘禁刑、罰金、拘留および科料の時効は、刑の言渡しを受けた者が国外にいる場合には、その国外にいる期間は進行しない |
停止と中断の違い
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「進行しない」って、リセットされるってこと?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
いや、そこが大事じゃ。止まるだけでな、それまでに経過した期間は消えん。ゼロからやり直しになるのは、次の第34条の時効の中断時効の中断一定の事由によって、それまで経過した時効期間が効力を失い、ゼロから数え直しになること(刑法34条)。進行が止まるだけの停止より効果が強い制度です。用語ページを見る →じゃよ。
| 時効の停止時効の停止一定の事由がある間、時効の進行が止まること(刑法33条)。止まっていた分だけ完成が遅れるだけで、それまでに経過した期間は消えません。用語ページを見る →(33条) | 時効の中断(34条) | |
|---|---|---|
| 効果 | 進行が止まる | それまでの期間が効力を失う |
| 経過した期間 | そのまま残る | ゼロから数え直し |
| 効果の強さ | 弱い | 強い |
2項の対象から外れているもの
2項が挙げているのは「拘禁刑、罰金、拘留及び科料」です。没収没収犯罪に関係する物の所有権を国に強制的に移す付加刑(刑法19条)。犯人以外の者に属する物は、その者が犯罪後に事情を知って取得した場合を除き、没収できません。用語ページを見る →が入っていません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
没収だけ仲間はずれ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
没収は物に対する処分じゃからのう。本人が国外にいても執行できる場合がある、と考えれば筋は通る。条文の列挙は一字一句が意味を持つのじゃよ。
1項の「法令により執行を猶予し、又は停止した期間」
刑の執行が法令に基づいて猶予・停止されている間は、そもそも執行することができません。執行できない期間まで時効を進めるのは筋が通らないため、進行を止めています。
資格別の演習
刑の言渡しを受けた者が国外にいる場合、拘禁刑の時効はその国外にいる期間は進行しない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法33条2項が定めています。対象は拘禁刑、罰金、拘留および科料です。
時効が停止した場合、それまでに経過していた期間は効力を失い、停止事由がやんだ時から新たに時効が進行する。
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解答:×
誤りです。それは刑法34条の中断の効果です。刑法33条の停止は、進行が止まるだけで、それまでに経過した期間はそのまま残ります。
没収の時効は、刑の言渡しを受けた者が国外にいる期間は進行しない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。刑法33条2項が挙げるのは「拘禁刑、罰金、拘留及び科料」であり、没収は含まれていません。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「停止は止まるだけ、中断はやり直し」。この違いを言えるようにしておくのじゃ。