刑法第32条・総則
刑法第32条:時効の期間
刑の重さに応じた6段階の時効期間を定めます。30年・20年・10年・5年・3年・1年という数字を、刑の種類と対応させて押さえます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
刑の時効って、どれくらいで完成するの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
刑の重さで変わるのじゃ。第32条が6段階に分けて定めておる。重い刑ほど長い——理屈は素直じゃよ。
条文の内容
刑の時効刑の時効刑の言渡しが確定した後、一定期間その執行を受けないことで執行の免除を得る制度(刑法31条・32条)。死刑は対象から除かれています。用語ページを見る →は、刑の言渡しが確定した後、次の期間その執行を受けないことによって完成します。
| 号 | 刑 | 期間 |
|---|---|---|
| 1号 | 無期拘禁刑 | 30年 |
| 2号 | 10年以上の有期拘禁刑 | 20年 |
| 3号 | 3年以上10年未満の拘禁刑 | 10年 |
| 4号 | 3年未満の拘禁刑 | 5年 |
| 5号 | 罰金 | 3年 |
| 6号 | 拘留、科料および没収 | 1年 |
起算点
条文は「刑の言渡しが確定した後」と定めています。刑法23条1項が刑期刑期拘禁刑や拘留の執行が続く期間のこと。刑法23条により裁判が確定した日から起算し、拘禁されていない日数は算入されません。用語ページを見る →を裁判確定の日から起算するとしているのと同じ考え方です。
また、刑法24条1項後段により、時効期間の初日も時間にかかわらず1日として計算されます。
数字の覚え方
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
30年、20年、10年、5年、3年、1年……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
拘禁刑の区切りは「10年以上」「3年以上10年未満」「3年未満」の3つ。そして罰金罰金一定額のお金を強制的に取り立てる財産刑。刑法15条により1万円以上で、減軽するときは1万円未満に下げることができます。用語ページを見る →が3年、拘留拘留刑法16条が定める、1日以上30日未満の期間、刑事施設に拘置する刑。刑事訴訟法上の身柄拘束である「勾留」とは別のものです。用語ページを見る →・科料科料刑法17条が定める、千円以上1万円未満の財産刑。行政上の制裁である「過料」とは別のもので、区別のため「とがりょう」と読み分けることがあります。用語ページを見る →・没収没収犯罪に関係する物の所有権を国に強制的に移す付加刑(刑法19条)。犯人以外の者に属する物は、その者が犯罪後に事情を知って取得した場合を除き、没収できません。用語ページを見る →がまとめて1年じゃ。刑法9条の重さの順序と並べて眺めるとよい。
注意したいのは、6号に没収が含まれていることです。没収は付加刑付加刑主刑を言い渡すときに、それに付け加えてのみ科すことができる刑のこと。刑法9条により、没収だけが付加刑とされています。用語ページを見る →ですが、時効の期間は独立して1年と定められています。
そして、刑法31条の括弧書きにより死刑には時効がありません。第32条にも死刑の欄がないのは、そのためです。
時効の進行を止める・やり直す
| 条文 | 制度 | 効果 |
|---|---|---|
| 33条 | 時効の停止時効の停止一定の事由がある間、時効の進行が止まること(刑法33条)。止まっていた分だけ完成が遅れるだけで、それまでに経過した期間は消えません。用語ページを見る → | 進行が止まる(経過した期間は残る) |
| 34条 | 時効の中断時効の中断一定の事由によって、それまで経過した時効期間が効力を失い、ゼロから数え直しになること(刑法34条)。進行が止まるだけの停止より効果が強い制度です。用語ページを見る → | 経過した期間が効力を失う(数え直し) |
資格別の演習
無期拘禁刑の刑の時効は、30年である。
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解答:◯
正しい記述です。刑法32条1号が定めています。有期拘禁刑については、10年以上が20年、3年以上10年未満が10年、3年未満が5年です。
拘留、科料および没収の刑の時効は、いずれも1年である。
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解答:◯
正しい記述です。刑法32条6号は「拘留、科料及び没収については一年」とまとめて定めています。
罰金の刑の時効は5年である。
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解答:×
誤りです。刑法32条5号により、罰金の時効は3年です。5年とされているのは3年未満の拘禁刑(同条4号)です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「30・20・10・5・3・1」。並べて唱えれば、意外と身につくものじゃよ。