刑法第31条・総則

刑法第31条:刑の時効

刑の言渡しを受けた者は、時効によってその執行の免除を得ます。死刑だけが対象から除かれている点と、公訴時効との違いを確認します。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

時効って、事件から何年か経つと捕まらなくなるやつでしょ?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

それは公訴時効公訴時効こうそじこう犯罪から一定期間が過ぎると検察官が起訴できなくなる、刑事訴訟法上の制度。判決が確定した後の執行に関する「刑の時効」とは別物です。用語ページを見る →——刑事訴訟法の話じゃ。ここで扱う刑の時効刑の時効けいのじこう刑の言渡しが確定した後、一定期間その執行を受けないことで執行の免除を得る制度(刑法31条・32条)。死刑は対象から除かれています。用語ページを見る →は、判決が確定した後の話でな。まったく別の制度なのじゃよ。

条文の内容

刑法31条は次のとおりです。

刑(死刑を除く。)の言渡しを受けた者は、時効によりその執行の免除を得る。

「刑の時効」と「公訴時効」

刑の時効(刑法31条以下) 公訴時効(刑事訴訟法)
場面 判決の確定後 起訴の前
効果 刑の執行の免除を得る 検察官が起訴できなくなる
起算点 刑の言渡しが確定した後(32条) 犯罪行為が終わった時

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

つまり、判決が出たのに執行されないまま時間が過ぎたら、ってこと?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そのとおりじゃ。逃げ続けたり所在が分からなかったりして、刑が執行されないまま期間が経つ。その場合に執行を免除する、という制度なのじゃよ。

死刑だけが除かれている

条文の括弧書き「(死刑を除く。)」が、この条文のもうひとつの要点です。死刑には刑の時効がありません。

刑法11条2項が「死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで刑事施設に拘置する」と定めていることとも整合します。

「執行の免除」であって言渡しの失効ではない

刑の時効の効果は「執行の免除」です。刑の言渡し刑の言渡しけいのいいわたし裁判所が判決で具体的な刑を告げること。執行猶予期間が無事に経過したとき(刑法27条1項)や刑の消滅(刑法34条の2)では、この言渡し自体が効力を失います。用語ページを見る →そのものが無かったことになるわけではありません。

制度 効果 条文
刑の時効 執行の免除を得る 31条
執行猶予期間の経過 刑の言渡しが効力を失う 27条1項
刑の消滅刑の消滅けいのしょうめつ刑の執行を終えた者などが、一定期間さらに罰金以上の刑に処せられなかったときに、刑の言渡しが効力を失う制度(刑法34条の2)。資格制限からの回復を目的とします。用語ページを見る → 刑の言渡しが効力を失う 34条の2

もっとも、刑法34条の2第1項は「刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者」を対象としているため、時効により執行の免除を得た者も、その後の期間の経過によって刑の消滅に至る道があります。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

死刑については、刑の時効の適用がない。

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解答:◯

正しい記述です。刑法31条は「刑(死刑を除く。)の言渡しを受けた者は」と定め、死刑を明文で除外しています。

司法書士正誤問題AI生成類題

刑の時効が完成すると、刑の言渡しはその効力を失う。

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解答:×

誤りです。刑法31条の効果は「その執行の免除を得る」ことです。刑の言渡しが効力を失うのは、執行猶予期間の経過(刑法27条1項)や刑の消滅(刑法34条の2)の場合です。

司法試験正誤問題AI生成類題

刑の時効は、判決が確定した後に刑が執行されないまま一定期間が経過した場合の制度であり、起訴の可否に関する公訴時効とは異なる。

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解答:◯

正しい記述です。刑法32条は時効期間を「刑の言渡しが確定した後」から数えるとしており、判決確定後の執行に関する制度であることが条文上も明らかです。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

「刑の時効は執行の免除、死刑には無い」。この2点を押さえたら、次は第32条で期間を見ていくぞ。

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