刑法第7条・総則
刑法第7条:公務員・公務所の定義
収賄罪や公務執行妨害罪の主体・客体を決める土台の定義です。「公務に従事する」ことが決め手で、役所に勤めているかどうかではありません。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
公務員って、市役所とかで働いている人のことでしょ? わざわざ刑法で定義しなくても……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ところが刑法の「公務員」は、日常の言葉より広いのじゃ。第7条をよく読んでごらん。「議員」「委員」まで入っておるじゃろう。
条文の内容
| 項 | 定義 |
|---|---|
| 1項 | 公務員(刑法上の)公務員(刑法上の)刑法7条1項が定める、国または地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員・委員その他の職員のこと。「公務に従事する」ことが決め手で、役所に勤めているかどうかではありません。用語ページを見る →とは、国または地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員をいう |
| 2項 | 公務所公務所刑法7条2項が定める、官公庁その他公務員が職務を行う所のこと。建物そのものではなく、公務が行われる役所という意味です。用語ページを見る →とは、官公庁その他公務員が職務を行う所をいう |
決め手は「法令により公務に従事する」こと
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員」……長いよ!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
分解すればよい。①法令に基づいて②公務に従事する③職員、この3つじゃ。国会議員も地方議会の議員も、審議会の委員も、この定義に当てはまる。役所に机があるかどうかは関係ないのじゃよ。
この定義は、次のような犯罪の成否を左右します。
| 条文 | 公務員・公務所の位置づけ |
|---|---|
| 95条(公務執行妨害等) | 職務を執行する公務員が保護の対象 |
| 156条(虚偽公文書作成等) | 公務員が主体 |
| 197条以下(収賄の罪) | 公務員が主体 |
| 198条(贈賄) | 公務員が相手方 |
| 2条5号(国外犯) | 公務所又は公務員によって作られるべき電磁的記録 |
公務所は「所」であって建物ではない
2項の公務所公務所刑法7条2項が定める、官公庁その他公務員が職務を行う所のこと。建物そのものではなく、公務が行われる役所という意味です。用語ページを見る →は「官公庁その他公務員が職務を行う所」です。物理的な建物というより、公務が行われる役所という組織的なまとまりを指します。
資格別の演習
地方公共団体の議会の議員は、刑法7条1項にいう公務員にあたる。
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解答:◯
正しい記述です。刑法7条1項は「法令により公務に従事する議員、委員その他の職員」を明示的に含めています。
刑法7条2項にいう公務所とは、官公庁の庁舎という建物そのものを指す。
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解答:×
誤りです。刑法7条2項は「官公庁その他公務員が職務を行う所」と定めており、公務が行われる役所を指します。建物の意味に限定されるわけではありません。
法令に基づいて設置された審議会の委員として公務に従事する民間人は、刑法7条1項の公務員にあたりうる。
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解答:◯
正しい記述です。刑法7条1項は「法令により公務に従事する議員、委員その他の職員」を公務員に含めており、身分が民間人であることは妨げになりません。決め手は法令に基づいて公務に従事しているかどうかです。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
収賄罪も公務執行妨害罪も、まずここで「その人は公務員か」を確かめるところから始まる。地味じゃが、各則を読むときの必携の定義じゃよ。