刑法第7条の2・総則
刑法第7条の2:電磁的記録の定義
紙の文書ではないデータを刑法が扱うための定義です。「人の知覚によっては認識することができない方式」という言い回しの意味を確認します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「電磁的記録」……なんだかレトロな響き。データのこと?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。昭和62年にコンピュータ犯罪への対応として入った定義でな。特定の技術に縛られない書き方をしておるから、今のクラウドでも通用するのじゃよ。
条文の内容
刑法7条の2は、電磁的記録電磁的記録刑法7条の2が定める、人の知覚では認識できない方式で作られ、コンピュータによる情報処理に使われる記録のこと。紙の文書ではないデータを刑法が扱うための入り口となる定義です。用語ページを見る →を次のように定義します。
電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの
要件は2つです。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 方式 | 電子的方式・磁気的方式その他、人の知覚では認識できない方式で作られた記録であること |
| ② 用途 | 電子計算機による情報処理の用に供されるものであること |
「人の知覚によっては認識することができない」の意味
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
画面に表示すれば読めるじゃない。知覚できてるよ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それは機械が変換して見せてくれておるだけじゃ。記録そのもの——ディスクの上の磁気の並び——を目で見て読むことはできんじゃろう。記録の形そのものが知覚できるかどうかを問うておるのじゃよ。だから紙に印刷された文書は電磁的記録ではない。
②の要件も大切です。人の知覚で認識できない方式であっても、コンピュータの情報処理に使われないもの(たとえば録音テープの音声)は、この定義には含まれません。
この定義が効いてくる場面
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 161条の2 | 電磁的記録不正作出及び供用 |
| 163条の2以下 | 支払用カード電磁的記録不正作出等 |
| 246条の2 | 電子計算機使用詐欺 |
| 258条・259条 | 公用・私用文書等毀棄(電磁的記録を含む) |
刑法2条5号や3条3号が国外犯の対象に電磁的記録に係る罪を含めているのも、この定義があってこそです。
資格別の演習
紙に印刷された文書は、コンピュータで作成されたものであれば刑法7条の2にいう電磁的記録にあたる。
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解答:×
誤りです。刑法7条の2は「人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録」と定めています。印刷された文書は目で読めるため、この定義には含まれません。
刑法7条の2の電磁的記録にあたるためには、電子計算機による情報処理の用に供されるものであることを要する。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。同条は、知覚できない方式で作られることに加えて「電子計算機による情報処理の用に供されるもの」であることを要件としています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「知覚できない方式」+「コンピュータで処理される」。この2枚の条件で、刑法はデータの世界に足場を作ったのじゃ。