刑法第260条・毀棄及び隠匿の罪
刑法第260条:建造物等損壊及び同致死傷
他人の建造物・艦船を損壊する罪です。外壁への落書きが「損壊」に当たるとされた最高裁決定があります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
落書きが「損壊」になるの? 壊してはいないよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
最高裁が正面から答えを出しておる。外観や美観を著しく汚損し、原状回復に相当の困難を生じさせた——そこまで至れば損壊じゃ、とな。
条文の内容
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の拘禁刑に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
前段と後段
| 部分 | 内容 | 刑 |
|---|---|---|
| 前段 | 他人の建造物又は艦船を損壊した | 5年以下の拘禁刑 |
| 後段 | よって人を死傷させた | 傷害の罪と比較して、重い刑により処断 |
判例——「損壊」の意義
最判平成18年1月17日は、公園内の公衆便所の白色外壁に、ラッカースプレーで赤色および黒色のペンキを吹き付け、「反戦」「戦争反対」および「スペクタクル社会」と大書し、その建物の外観ないし美観を著しく汚損し、原状回復に相当の困難を生じさせた行為は、刑法260条前段にいう建造物の「損壊」に当たるとしました。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「原状回復に相当の困難」が決め手なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこじゃな。元に戻すのがどれだけ難しいかを、最高裁は判断の要素に挙げておる。190条の「遺棄」でも、こんぽうや設置の方法という具体的な事情から結論を導いておったのう。
「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」
刑法第2編で、この言い回しが現れる最後の条文です。
| 条文 | 前提となる罪 |
|---|---|
| 刑法118条2項 | ガス漏出等 |
| 刑法124条2項 | 往来妨害 |
| 刑法145条 | 浄水汚染等 |
| 刑法196条 | 特別公務員職権濫用等 |
| 刑法216条 | 不同意堕胎 |
| 刑法219条 | 遺棄等 |
| 刑法221条 | 逮捕及び監禁 |
| 刑法260条後段 | 建造物等損壊 |
108条・109条との違い
同じ建造物でも、火をつければ放火罪、壊せば建造物等損壊建造物等損壊他人の建造物または艦船を損壊すること(刑法260条前段)。最高裁は、公衆便所の外壁にラッカースプレーで大書し外観・美観を著しく汚損した行為が同条前段の「損壊」に当たるとしました。用語ページを見る →罪です。
| 条文 | 行為 | 刑 |
|---|---|---|
| 刑法108条 | 放火して焼損 | 死刑または無期もしくは5年以上の拘禁刑 |
| 刑法260条前段 | 損壊 | 5年以下の拘禁刑 |
親告罪ではない
第264条が挙げるのは259条・261条・263条であり、260条は含まれていません。
資格別の演習
他人の建造物を損壊し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して重い刑により処断される。
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解答:◯
正しい記述です。刑法260条後段の定めです。
建造物の外壁にラッカースプレーでペンキを吹き付けて大書し、外観・美観を著しく汚損して原状回復に相当の困難を生じさせた行為は、刑法260条前段にいう「損壊」に当たる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。最判平成18年1月17日の判断です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の261条は、それ以外のすべてを受け止める条文じゃ。