刑法第261条・毀棄及び隠匿の罪

刑法第261条:器物損壊等

258条から260条までに当たらない他人の物を損壊・傷害する罪です。物に対して「傷害」という語を使う、刑法でここだけの条文です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

物なのに「傷害」? 人に使う言葉じゃないの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よい着眼じゃ。204条の傷害は人の身体、261条の傷害は他人の物——同じ語でも、条文が違えば対象が違う。動物を念頭に置いた語と読めるのう。

条文の内容

前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

要件を分解する

要件 条文の言葉
位置づけ 前三条に規定するもののほか(258条〜260条以外)
客体 他人の物
行為 損壊し、または傷害した
刑 3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金もしくは科料科料かりょう刑法17条が定める、千円以上1万円未満の財産刑。行政上の制裁である「過料」とは別のもので、区別のため「とがりょう」と読み分けることがあります。用語ページを見る →

「前三条に規定するもののほか」

第四十章の受け皿となる条文です。

客体 条文
公務所の用に供する文書・電磁的記録 258条
権利義務に関する他人の文書・電磁的記録 259条
他人の建造物・艦船 260条
上記以外の他人の物 261条

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

110条の「前二条に規定する物以外の物」と同じ形だね。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

みごとじゃ。先に個別の条文を並べ、最後に受け皿を置く——刑法が繰り返し使う構成じゃな。155条3項・159条3項・187条3項も同じ書き方であった。

「損壊」と「傷害」

語 対象として想定されるもの
損壊 物一般
傷害 動物など、傷つけるという表現がなじむもの

条文が2つの語を並べているのは、物の性質に応じて言葉を使い分けるためと読めます。126条2項で艦船だけ「沈没させ」が加わっていたのと同じ発想です。

262条との関係

第262条は「自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、または配偶者居住権が設定されたものを損壊し、または傷害したときは、前三条の例による」と定めます。261条もその対象です。

親告罪

第264条により、261条の罪は親告罪親告罪しんこくざい告訴がなければ公訴を提起することができない罪。刑法135条は、秘密を侵す罪(信書開封罪・秘密漏示罪)を親告罪としています。用語ページを見る →です。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

器物損壊罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法264条が261条を親告罪としています。

司法試験正誤問題AI生成類題

刑法261条は、258条から260条までに規定する物以外の他人の物を対象としている。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。条文は「前三条に規定するもののほか」と定めています。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

次の262条は、自分の物でも罰せられる場合じゃ。115条・242条と並べて読むのじゃぞ。

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