刑法第238条・窃盗及び強盗の罪

刑法第238条:事後強盗

窃盗が3つの目的のいずれかで暴行・脅迫をしたときに強盗として論じます。「窃盗の機会の継続中」の判断を示した最高裁決定があります。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

盗んだ後に暴れると、強盗になっちゃうんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

ただし3つの目的のいずれかが要る。逃げるためでも、取り返されないためでも、証拠を消すためでもよい——じゃがそれ以外の目的なら、条文の文言に当たらぬ。

条文の内容

窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

3つの目的

目的 条文の言葉
① 財物を得てこれを取り返されることを防ぎ
② 逮捕を免れ
③ 罪跡を隠滅する

要件を分解する

要件 条文の言葉
主体 窃盗(窃盗を行った者)
目的 上記3つのいずれか
行為 暴行又は脅迫をした
効果 強盗として論ずる

判例——「窃盗の機会の継続中」

最判平成16年12月10日は、被害者方で財物を窃取した犯人が、だれからも発見・追跡されることなく、いったん同所から約1km離れた場所まで移動し、窃取の約30分後に再度窃盗をする目的で被害者方に戻った際に逮捕を免れるため家人を脅迫したという事実関係の下においては、その脅迫は、窃盗の機会の継続中に行われたものとはいえないとしました。

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

距離と時間で判断してるの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

それだけではない。**「だれからも発見、追跡されることなく」**という点が効いておる。追われ続けておれば、離れても機会は続いておると見る余地がある。事実の組み合わせで判断するのじゃな。

236条との違い

条文 暴行・脅迫の時点
236条(強盗強盗ごうとう暴行または脅迫を用いて他人の財物を強取すること(刑法236条1項)。5年以上の有期拘禁刑で、同条2項は財産上不法の利益を得る場合を定めます。用語ページを見る →) 財物を奪う手段として用いる
238条(事後強盗事後強盗じごごうとう窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、または罪跡を隠滅するために暴行・脅迫をすること(刑法238条)。強盗として論じられます。用語ページを見る →) 窃取した後に用いる

順序が逆であるにもかかわらず、条文は「強盗として論ずる」と定めています。

「強盗として論ずる」の効果

条文 効果
240条(強盗致死傷強盗致死傷ごうとうちししょう強盗が人を負傷させたときは無期または6年以上の拘禁刑、死亡させたときは死刑または無期拘禁刑に処せられます(刑法240条)。用語ページを見る →) 238条の犯人にも適用される
241条 「強盗の罪」に238条も含まれる
243条 238条の罪の未遂を罰する

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

窃盗が罪跡を隠滅するために暴行をしたときは、強盗として論じられる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法238条は3つの目的の一つとして罪跡の隠滅を挙げています。

司法試験正誤問題AI生成類題

だれからも発見・追跡されることなくいったん約1km離れた場所まで移動し、約30分後に戻った際にした脅迫は、窃盗の機会の継続中に行われたものとはいえないとされた事例がある。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。最判平成16年12月10日の事案です。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

次の239条は、暴行も脅迫も使わぬ強盗じゃ。

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