刑法第224条・略取、誘拐及び人身売買の罪
刑法第224条:未成年者略取及び誘拐
未成年者を略取・誘拐する罪です。目的を要件としない基本形として、225条以下の目的犯と対比されます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
この条文には「目的で」が出てこないね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい着眼じゃ。224条は目的を要件としない。その代わり客体を未成年者に限っておる。225条以下は逆に、客体を限らず目的を要件とする——対になっておるのじゃ。
条文の内容
未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
要件を分解する
| 要件 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 客体 | 未成年者 |
| 行為 | 略取略取暴行・脅迫を手段として人をその生活環境から引き離し、自己または第三者の支配下に移すこと。刑法224条以下が「略取し、又は誘拐した」という形で誘拐と並べて処罰します。用語ページを見る →し、または誘拐誘拐欺罔または誘惑を手段として人をその生活環境から引き離し、自己または第三者の支配下に移すこと。刑法224条以下が略取と並べて処罰します。用語ページを見る →した |
| 刑 | 3月以上7年以下の拘禁刑 |
第三十三章の見取り図
| 条文 | 客体 | 目的 | 刑 |
|---|---|---|---|
| 224条 | 未成年者 | なし | 3月以上7年以下の拘禁刑 |
| 225条 | 人 | 営利・わいせつ・結婚・加害 | 1年以上10年以下の拘禁刑 |
| 225条の2 | 人 | 身の代金目的略取等身の代金目的略取等近親者その他略取・誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させる目的で人を略取・誘拐すること(刑法225条の2第1項)。無期または3年以上の拘禁刑です。用語ページを見る → | 無期または3年以上の拘禁刑 |
| 226条 | 人 | 所在国外移送 | 2年以上の有期拘禁刑 |
| 226条の2 | 人 | (人身売買人身売買刑法226条の2が定める罪。人を買い受ける行為(1項〜3項)、売り渡す行為(4項)、所在国外に移送する目的での売買(5項)を、相手の年齢や目的に応じて段階的に処罰します。用語ページを見る →) | 3月以上5年以下〜2年以上の有期拘禁刑 |
| 226条の3 | 略取等された者 | — | 2年以上の有期拘禁刑 |
| 227条 | 略取等された者 | 幇助・営利等 | 3月以上5年以下〜2年以上の有期拘禁刑 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
目的によって、こんなに刑が違うんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
目的が刑を動かす——136条と140条、150条と152条、163条の2と163条の3でも見てきた型じゃな。この章では、それが最も細かく刻まれておる。
略取と誘拐
条文は両者を並べて掲げ、同じ刑としています。手段が異なるとされますが、条文自身は定義を置いていません。
未遂・親告罪
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 228条 | 224条、225条、225条の2第1項、226条から226条の3まで、227条第1項から第3項まで・第4項前段の罪の未遂を罰する |
| 229条 | 一定の場合に告訴がなければ公訴を提起することができない |
資格別の演習
未成年者略取罪は、目的を要件としていない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法224条は「未成年者を略取し、又は誘拐した者は」と定めるにとどまります。
未成年者略取及び誘拐罪の未遂は処罰される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法228条が224条の罪の未遂を対象としています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の225条は、目的が要件になる類型じゃ。4つの目的が並ぶぞ。