刑法第217条・遺棄の罪
刑法第217条:遺棄
扶助を必要とする者を遺棄する罪です。次の218条が保護責任者に絞って重く定めているため、両者の対比が学習の要になります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
190条にも「遺棄」があったけど、こっちは生きている人だね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおりじゃ。同じ語でも、条文が違えば場面が違う。190条は死体等、217条は扶助を必要とする者扶助を必要とする者刑法217条が遺棄罪の客体として掲げる語で、老年・幼年・身体障害または疾病のためにその状態にある者をいいます。218条は「老年者、幼年者、身体障害者又は病者」と書き方を変えています。用語ページを見る →——見誤らぬようにな。
条文の内容
老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の拘禁刑に処する。
要件を分解する
| 要件 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 客体 | 老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者 |
| 行為 | 遺棄した |
| 刑 | 1年以下の拘禁刑 |
4つの事由
| 事由 |
|---|
| 老年 |
| 幼年 |
| 身体障害 |
| 疾病 |
これらのために扶助を必要とするという結びつきが要件です。
218条との書き分け
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
218条は「老年者、幼年者、身体障害者又は病者」——言い方が違う!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
鋭いのう。217条は「〜のために扶助を必要とする者」、218条は「者」で言い切っておる。書き分けには理由があると思って読むのが作法じゃ。
| 条文 | 客体の書き方 | 主体 | 刑 |
|---|---|---|---|
| 217条 | 老年、幼年、身体障害または疾病のために扶助を必要とする者 | 制限なし | 1年以下の拘禁刑 |
| 218条 | 老年者、幼年者、身体障害者又は病者 | 保護する責任のある者 | 3月以上5年以下の拘禁刑 |
218条は「保護をしなかった」も含む
218条は「遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったとき」と定めます。217条にはこの部分がありません。
| 条文 | 行為 |
|---|---|
| 217条 | 遺棄した |
| 218条 | 遺棄し、またはその生存に必要な保護をしなかった |
致死傷の場合
第219条は「前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」と定めます。217条・218条がその対象です。
資格別の演習
疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、1年以下の拘禁刑に処せられる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法217条の定めです。
刑法217条は、遺棄のほか、その生存に必要な保護をしなかった場合も処罰の対象としている。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。「その生存に必要な保護をしなかったとき」を定めるのは刑法218条です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の218条は、保護する責任のある者を捉える条文じゃ。判例も厚いぞ。