刑法第128条・往来を妨害する罪
刑法第128条:未遂罪(往来を妨害する罪)
往来を妨害する罪のうち、未遂が処罰される範囲を名指しで定めます。124条は1項のみ、126条は1項・2項のみという細かさが特徴です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
項まで指定してある……細かい!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
この細かさこそが条文じゃ。書かれた範囲がそのまま処罰の範囲になる。ひとつずつ確かめよう。
条文の内容
第百二十四条第一項、第百二十五条並びに第百二十六条第一項及び第二項の罪の未遂は、罰する。
未遂処罰の一覧
| 条文 | 罪 | 未遂処罰 |
|---|---|---|
| 124条1項 | 往来妨害 | ◯ |
| 124条2項 | 往来妨害致死傷 | — |
| 125条1項・2項 | 往来危険往来危険鉄道もしくはその標識を損壊し、またはその他の方法により汽車・電車の往来の危険を生じさせること等(刑法125条)。最高裁は、同条1項の電車往来危険罪における危険とは、電車の顛覆・衝突等の事故発生の可能性ある状態をいうとしました。用語ページを見る → | ◯ |
| 126条1項 | 汽車・電車の転覆等 | ◯ |
| 126条2項 | 艦船の転覆等 | ◯ |
| 126条3項 | 汽車転覆等致死 | — |
| 127条 | 往来危険による汽車転覆等 | — |
| 129条 | 過失往来危険 | — |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
致死傷の項が外れてるのは、なんとなくわかる気がする。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
死傷という結果が生じてはじめて成り立つ類型じゃからのう。結果が生じていない未遂とは、そもそも噛み合わぬのじゃ。過失犯の129条が外れておるのも同じ理屈じゃな。
未遂処罰の書き方を比べる
| 条文 | 書き方 |
|---|---|
| 刑法102条(逃走の罪) | この章の罪の未遂は、罰する |
| 刑法112条(放火の罪) | 第108条及び第109条第1項の罪の未遂は、罰する |
| 刑法128条(往来を妨害する罪) | 条文と項を名指しして限定 |
| 刑法141条(あへん煙に関する罪) | この章の罪の未遂は、罰する |
資格別の演習
刑法128条により、往来危険罪(125条)の未遂は処罰される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。同条は125条を項の限定なく挙げています。
刑法128条により、汽車転覆等致死罪(126条3項)の未遂も処罰される。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。同条が挙げるのは126条1項および2項であり、3項は含まれていません。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
章の最後は、過失の場合じゃ。ここで「業務」という言葉が再び顔を出すぞ。