刑法第125条・往来を妨害する罪
刑法第125条:往来危険
鉄道や標識を損壊するなどして汽車・電車の往来の危険を生じさせる罪です。「危険」の意義を示した最高裁判例があります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
2年以上の有期拘禁刑! 124条とはけたが違う。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうじゃ。線路に置石ひとつで、何百人もの命が危うくなる。条文はその落差を、刑の重さで表しておるのじゃ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 鉄道若しくはその標識を損壊し、またはその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、2年以上の有期拘禁刑に処する |
| 2項 | 灯台若しくは浮標を損壊し、またはその他の方法により、艦船の往来の危険を生じさせた者も、前項と同様とする |
1項と2項
| 項 | 典型的な客体 | 危険の対象 |
|---|---|---|
| 1項 | 鉄道、その標識 | 汽車、電車 |
| 2項 | 灯台、浮標 | 艦船 |
いずれも「その他の方法により」という受け皿を持ち、刑は同じです。
判例——「危険」の意義
最判昭和36年12月1日は、刑法125条1項の電車往来危険罪における危険とは、電車の顛覆、衝突等の事故発生の可能性ある状態をいうとしました。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
事故が起きなくても、起きうる状態になれば成立するんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そういうことじゃ。往来危険往来危険鉄道もしくはその標識を損壊し、またはその他の方法により汽車・電車の往来の危険を生じさせること等(刑法125条)。最高裁は、同条1項の電車往来危険罪における危険とは、電車の顛覆・衝突等の事故発生の可能性ある状態をいうとしました。用語ページを見る →罪は、事故そのものではなく事故の可能性を捉えて処罰する。だから次の127条が、実際に転覆等が起きた場合を別に用意しておるのじゃな。
124条との対比
| 条文 | 対象 | 結果 | 刑 |
|---|---|---|---|
| 124条1項 | 陸路・水路・橋 | 往来の妨害 | 2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金 |
| 125条 | 汽車・電車・艦船 | 往来の危険 | 2年以上の有期拘禁刑 |
未遂
第128条により、125条の罪(1項・2項とも)の未遂は罰せられます。
資格別の演習
灯台を損壊して艦船の往来の危険を生じさせた者は、刑法125条2項により、同条1項と同じ刑に処せられる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。条文は「前項と同様とする」と定めています。
刑法125条1項の電車往来危険罪における危険とは、電車の顛覆、衝突等の事故発生の可能性ある状態をいう。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。最判昭和36年12月1日の判断です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の126条は、危険どころか——実際に転覆させた場合じゃ。