刑法第117条・放火及び失火の罪
刑法第117条:激発物破裂
火薬やボイラーなど激発すべき物を破裂させて目的物を損壊する罪です。1項は放火の例により、2項は過失の場合を失火の例により処断します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
爆発って、放火とは違うよね?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
違う。じゃが結果はよく似ておる。だから条文は、新しい刑を定める代わりに「放火の例による」と書いて、108条以下の枠組みを借りてきておるのじゃ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項前段 | 火薬、ボイラーその他の激発すべき物を破裂させて、第108条に規定する物または他人の所有に係る第109条に規定する物を損壊した者は、放火の例による |
| 1項後段 | 第109条に規定する物であって自己の所有に係るものまたは第110条に規定する物を損壊し、よって公共の危険を生じさせた者も、同様とする |
| 2項 | 前項の行為が過失によるときは、失火の例による |
「〜の例による」という書き方
激発物破裂激発物破裂火薬、ボイラーその他の激発すべき物を破裂させて、刑法108条・109条・110条に規定する物を損壊すること(刑法117条1項)。放火の例により処断されます。用語ページを見る →罪は、自前の法定刑を持ちません。
| 項 | 借りてくる条文 |
|---|---|
| 1項 | 放火の罪(108条・109条・110条) |
| 2項 | 失火の罪(116条) |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
条文を書き写さずに済むんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
法典を短く保つ工夫じゃな。ただし読む側は、指された先まで見に行かねば刑がわからぬ。これも条文読解の訓練じゃ。
「焼損」ではなく「損壊」
放火罪は焼損焼損放火罪の結果として条文が要求する状態。刑法108条・109条・110条はいずれも目的物を「焼損した」ことを、116条の失火罪も「焼損した」ことを要件としています。用語ページを見る →を結果としますが、117条は「損壊」と書きます。破裂という行為の性質に合わせた言葉です。
| 条文 | 行為 | 結果 |
|---|---|---|
| 108条〜110条 | 放火して | 焼損した |
| 117条 | 破裂させて | 損壊した |
2項の過失も加重されうる
2項は失火の例によりますが、その行為が業務上の注意義務違反や重大な過失によるときは、次の117条の2が働きます。
資格別の演習
火薬を破裂させて現住建造物を損壊した者は、放火の例により処断される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法117条1項前段の定めです。
刑法117条1項の行為が過失によるときは、失火の例により処断される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。同条2項の定めです。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の117条の2は、うっかりの中身を問う条文じゃ。同じ過失でも扱いが変わるぞ。