刑法第116条・放火及び失火の罪

刑法第116条:失火

過失により火を出して目的物を焼損する罪です。放火罪と同じ客体を扱いながら、刑は50万円以下の罰金にとどまります。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

家を全焼させても、罰金だけ?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

条文はそう定めておる。故意故意こい罪を犯す意思のこと。刑法38条1項は、罪を犯す意思がない行為は罰しないと定め、処罰されるのは故意のある行為が原則であるとしています。用語ページを見る →で燃やすのと、うっかり燃やすのとでは、非難の重さが違うからのう。ただし、次の117条の2で例外が用意されておるぞ。

条文の内容

項 内容
1項 失火により、第108条に規定する物または他人の所有に係る第109条に規定する物を焼損した者は、50万円以下の罰金に処する
2項 失火により、第109条に規定する物であって自己の所有に係るものまたは第110条に規定する物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者も、前項と同様とする

1項と2項の分かれ目

項 客体 公共の危険
1項 108条の物/他人所有の109条の物 条文は要求していない
2項 自己所有の109条の物/110条の物 要求する

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

放火のときと同じ切り分けだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そのとおりじゃ。失火失火しっか過失によって火を出し、目的物を焼損すること。刑法116条1項は50万円以下の罰金、2項は自己所有物等の焼損により公共の危険を生じさせた場合を同じ刑で処罰します。用語ページを見る →罪は、故意の放火罪の構造をそのまま写し取って、刑だけを軽くしておる。だから客体の分け方も同じになるのじゃな。

刑は1項・2項とも同じ

2項は「前項と同様とする」——どちらも50万円以下の罰金です。

過失犯過失犯かしつはん罪を犯す意思がなくても処罰される犯罪。刑法38条1項ただし書の「法律に特別の規定がある場合」にあたるものだけが処罰されます。用語ページを見る →としての位置づけ

刑法38条1項は、罪を犯す意思がない行為は罰しないのが原則としつつ、「法律に特別の規定がある場合は、この限りでない」としています。116条は、その特別の規定にあたります。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

失火により現住建造物を焼損した者は、50万円以下の罰金に処せられる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法116条1項は「第108条に規定する物」を客体として挙げています。

司法試験正誤問題AI生成類題

失火により自己の所有に係る非現住建造物を焼損した場合、刑法116条2項の罪が成立するには、公共の危険が生じたことが必要である。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。同項は「よって公共の危険を生じさせた者」と定めています。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

次の117条は、火そのものではなく破裂を扱う。じゃが結局、放火と失火の例に戻ってくるぞ。

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