刑法第95条の2・公務の執行を妨害する罪

刑法第95条の2:電子計算機損壊等公務執行妨害

公務に使う電子計算機や電磁的記録を損壊するなどして、使用目的に沿う動作をさせない行為を処罰します。暴行・脅迫によらない公務妨害を捉える条文です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

役所のシステムを壊したら、公務執行妨害になるの? 人には暴行してないけど……。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よい疑問じゃ。第95条1項は「暴行又は脅迫」しか書いておらん。そこを埋めるのが第95条の2じゃ。人ではなく機械に対する妨害を捉えておるのじゃよ。

条文の内容

公務員が職務を執行するに当たり、

行為
その職務に使用する電子計算機もしくはその用に供する電磁的記録を損壊する
その職務に使用する電子計算機に虚偽の情報もしくは不正な指令を与える
その他の方法により

これらによって、その電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせた者は、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられます。

95条1項との比較

刑法95条1項 刑法95条の2
手段 暴行または脅迫 損壊・虚偽の情報・不正な指令・その他の方法
対象 職務を執行する公務員 職務に使用する電子計算機・電磁的記録電磁的記録でんじてききろく刑法7条の2が定める、人の知覚では認識できない方式で作られ、コンピュータによる情報処理に使われる記録のこと。紙の文書ではないデータを刑法が扱うための入り口となる定義です。用語ページを見る →
結果 条文に定めなし 使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせたこと
刑 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 同じ

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

こっちは結果が要るんだ!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そこが読みどころじゃ。第95条1項は暴行・脅迫を加えれば足りるが、第95条の2は「動作をさせず、又は……反する動作をさせた」という結果まで条文に書き込まれておる。刑は同じでも、成立の条件が違うのじゃな。

「電磁的記録」の定義は総則にある

電磁的記録電磁的記録でんじてききろく刑法7条の2が定める、人の知覚では認識できない方式で作られ、コンピュータによる情報処理に使われる記録のこと。紙の文書ではないデータを刑法が扱うための入り口となる定義です。用語ページを見る →は、刑法7条の2が定義しています。電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいいます。

各則の条文を読むときは、まず総則に定義がないかを確かめる——第95条の2は、その練習にちょうどよい条文です。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

公務員が職務を執行するに当たり、その職務に使用する電子計算機に不正な指令を与えて、使用目的に反する動作をさせた者は、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処せられる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法95条の2の定めです。

司法試験正誤問題AI生成類題

刑法95条の2は、電子計算機に虚偽の情報を与えれば、その電子計算機の動作に影響が生じなくても成立する。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。同条は「使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせた者」と定めており、動作についての結果を要件としています。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

次の第96条からは、封印や差押えの表示——執行の場面を守る条文が続くぞ。

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