刑法第63条・総則

刑法第63条:従犯減軽

従犯の刑は、正犯の刑を減軽したものになります。共同正犯・教唆犯との違いがはっきり出る、共犯論の要となる一行です。

  • 司法書士
  • 司法試験

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

手伝っただけなのに、正犯と同じ刑なんて重すぎるよ!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

安心せい。第63条がそこを引き受けておる。「従犯の刑は、正犯の刑を減軽する」。共犯の中で、刑が必ず軽くなるのは従犯従犯じゅうはん正犯を幇助した者のこと(刑法62条1項)。刑法63条により、その刑は正犯の刑を減軽したものになります。用語ページを見る →だけじゃ。

条文の内容

従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

共犯3類型の刑を並べる

関与形態 条文 刑
共同正犯共同正犯きょうどうせいはん2人以上共同して犯罪を実行した者のこと(刑法60条)。全員が正犯として扱われ、刑の減軽はありません。用語ページを見る → 60条 正犯(減軽なし)
教唆犯教唆犯きょうさはん人を教唆して犯罪を実行させた者のこと。刑法61条1項により、正犯の刑が科されます。用語ページを見る → 61条1項 正犯の刑を科する(減軽なし)
従犯 62条1項・63条 正犯の刑を減軽する

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

減軽されるのは従犯だけなんだ!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そうじゃ。しかも「減軽する」——「できる」ではない。必要的減軽じゃな。心神耗弱(39条2項)と同じ書き方じゃ。

減軽のしかたは68条による

「減軽する」といっても、どれだけ軽くするかは第63条には書かれていません。法律上の減軽法律上の減軽ほうりつじょうのげんけい法律の規定にもとづく刑の減軽のこと。刑法68条が、死刑・無期拘禁刑・有期拘禁刑・罰金・拘留・科料それぞれの減軽方法を定めています。用語ページを見る →の方法は刑法68条が定めています。

減軽される刑 68条の定め
死刑 無期または10年以上の拘禁刑
無期拘禁刑 7年以上の有期拘禁刑
有期拘禁刑 長期および短期の2分の1を減ずる
罰金 多額および寡額の2分の1を減ずる
拘留 長期の2分の1を減ずる
科料 多額の2分の1を減ずる

また、各本条に2個以上の刑名刑名けいめい死刑・拘禁刑・罰金といった刑の種類の名称。刑法69条は、各本条に2個以上の刑名があるときは、まず適用する刑を定めてからその刑を減軽するとしています。用語ページを見る →があるときは、まず適用する刑を定めてからその刑を減軽します(刑法69条)。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法63条の文言そのものです。「減軽することができる」ではなく必要的減軽です。

司法書士正誤問題AI生成類題

教唆犯についても、正犯の刑を減軽する。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。刑法61条1項は「正犯の刑を科する」と定めており、減軽の規定はありません。減軽されるのは従犯です。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

「共同正犯は正犯、教唆は正犯の刑、従犯は減軽」。三段で唱えられるようにしておくのじゃぞ。

一次情報を確認する