刑法第62条・総則
刑法第62条:幇助
正犯を幇助した者は従犯です。従犯を教唆した者には従犯の刑が科されます。幇助犯の故意が否定された判例まで確認します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
道具を貸しただけでも罪になるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それが幇助幇助正犯の実行を助けること。刑法62条1項は、正犯を幇助した者を従犯とすると定めています。用語ページを見る →じゃ。第62条は、正犯を幇助した者を**従犯従犯正犯を幇助した者のこと(刑法62条1項)。刑法63条により、その刑は正犯の刑を減軽したものになります。用語ページを見る →**とする。刑は第63条で減軽される。じゃが、故意が要るという壁もあるのじゃよ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 正犯を幇助した者は、従犯とする |
| 2項 | 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する |
2項の読み方
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「従犯を教唆」……教唆だから、正犯の刑じゃないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこがひっかけどころじゃ。第61条1項は「人を教唆して犯罪を実行させた者」の話。従犯を教唆した者については、第62条2項が従犯の刑と定めておる。教唆したからといって、いつでも正犯の刑になるわけではないのじゃ。
| 誰を | 何をした | 科される刑 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 正犯を | 幇助した | 従犯の刑(正犯の刑を減軽) | 62条1項・63条 |
| 従犯を | 教唆した | 従犯の刑 | 62条2項 |
| 教唆者を | 教唆した | 正犯の刑 | 61条2項 |
判例——幇助犯にも故意が要る
最決平成23年12月19日は、適法用途にも著作権侵害用途にも利用できるファイル共有ソフトをインターネットを通じて不特定多数の者に公開・提供し、正犯者の著作権侵害を幇助したとして問われた事案について、被告人において現に行われようとしている具体的な著作権侵害を認識・認容しながら公開・提供を行ったものでないことは明らかであるうえ、常時利用者に対し著作権侵害のために利用することがないよう警告を発していたなどの事実関係の下では、例外的とはいえない範囲の者が著作権侵害に利用する蓋然性が高いことを認識・認容していたとまで認めることも困難であり、幇助犯の故意が欠けるとしました。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
結果として使われても、それだけじゃダメなんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
刑法38条1項に戻るのじゃな。幇助であっても、罪を犯す意思が要る。 道具が悪用されうるというだけでは足りぬ、ということじゃ。
判例——幇助罪が成立した例
最決平成10年2月13日は、銃砲刀剣類所持等取締法にいうけん銃の譲渡しと譲受けの周旋とは、譲渡人と譲受人との間で譲渡し・譲受けが行われるよう仲介することをいい、一方からの依頼を受けて他方に働きかけ、その者が応じた場合も周旋にあたるとしたうえで、周旋行為によってけん銃の譲渡が実現したときは、周旋の罪より刑の重い譲渡し又は譲受けの罪の幇助罪が成立すると判示しました。
資格別の演習
正犯を幇助した者は、従犯とされる。
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解答:◯
正しい記述です。刑法62条1項の文言そのものです。刑は63条により正犯の刑を減軽したものになります。
従犯を教唆した者には、正犯の刑を科する。
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解答:×
誤りです。刑法62条2項は「従犯の刑を科する」と定めています。正犯の刑が科されるのは、61条の教唆犯の場合です。
適法用途にも違法用途にも使えるソフトウェアを不特定多数に公開・提供した者について、幇助犯の故意が欠けるとされることがある。
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解答:◯
正しい記述です。最決平成23年12月19日は、具体的な著作権侵害を認識・認容して公開・提供したものではなく、侵害利用をしないよう警告を発していたなどの事実関係の下で、幇助犯の故意が欠けるとしました。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
幇助は「手伝った」だけでは足りぬ。何を手伝っているかを分かっていたか。そこが問われるのじゃ。