刑法第30条・総則
刑法第30条:仮出場
拘留に処せられた者や、罰金・科料を完納できずに留置された者を、情状により「いつでも」仮に出場させる処分です。期間の経過を要しない点が仮釈放との違いです。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
仮釈放と仮出場……名前が似すぎ! 何が違うの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
対象が違うのじゃ。仮釈放仮釈放拘禁刑に処せられた者を、刑期の満了前に行政官庁の処分で仮に釈放すること(刑法28条)。有期刑は刑期の3分の1、無期刑は10年を経過した後に可能となります。用語ページを見る →は拘禁刑、仮出場仮出場拘留に処せられた者や、罰金・科料を完納できずに留置された者を、情状によりいつでも仮に出場させる処分(刑法30条)。期間の経過を要しない点が仮釈放と違います。用語ページを見る →は拘留と労役場留置。しかも仮出場には「刑期の3分の1」のような期間の条件が無いのじゃよ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 拘留拘留刑法16条が定める、1日以上30日未満の期間、刑事施設に拘置する刑。刑事訴訟法上の身柄拘束である「勾留」とは別のものです。用語ページを見る →に処せられた者は、情状により、いつでも、行政官庁の処分によって仮に出場を許すことができる |
| 2項 | 罰金罰金一定額のお金を強制的に取り立てる財産刑。刑法15条により1万円以上で、減軽するときは1万円未満に下げることができます。用語ページを見る →または科料科料刑法17条が定める、千円以上1万円未満の財産刑。行政上の制裁である「過料」とは別のもので、区別のため「とがりょう」と読み分けることがあります。用語ページを見る →を完納することができないため留置された者も、1項と同様とする |
仮釈放との比較
| 仮釈放(28条) | 仮出場(30条) | |
|---|---|---|
| 対象 | 拘禁刑に処せられた者 | 拘留に処せられた者/労役場留置労役場留置罰金や科料を完納できない者を労役場に留置する処分(刑法18条)。罰金は1日以上2年以下、科料は1日以上30日以下の期間です。用語ページを見る →された者 |
| 期間の要件 | 有期は刑期の3分の1、無期は10年 | なし(いつでも) |
| 実質的要件 | 改悛の状改悛の状刑法28条が仮釈放の要件として挙げる、悔い改めている様子のこと。刑期の経過という形式的要件に加えて、この実質的要件が必要です。用語ページを見る →があること | 情状情状刑を決めるにあたって考慮される、犯行の事情や犯人の境遇などの一切の事柄。刑法25条の執行猶予や36条2項の過剰防衛の減免は、この情状によって判断されます。用語ページを見る →により |
| 主体 | 行政官庁の処分 | 行政官庁の処分 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
どうして仮出場には期間の条件がないの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
もともと短いからじゃ。拘留は刑法16条により1日以上30日未満、科料の労役場留置は刑法18条2項により1日以上30日以下。ここに「3分の1を経過した後」などと条件を付けても、あまり意味がないのじゃよ。
2項が拾っているもの
2項は、刑を言い渡された者ではなく、罰金・科料を完納できないために留置された者を対象としています。労役場留置は刑そのものではありませんが、身柄を拘束されている点は同じです。そこで仮出場の道を開いています。
なお、仮釈放については刑法29条に取消しの規定がありますが、仮出場についてはそのような規定は置かれていません。
資格別の演習
拘留に処せられた者は、情状によりいつでも、行政官庁の処分によって仮に出場を許すことができる。
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解答:◯
正しい記述です。刑法30条1項がそのまま定めています。仮釈放と異なり、期間の経過を要件としていません。
罰金を完納することができないため労役場に留置された者についても、仮出場を許すことができる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法30条2項が定めています。刑の言渡しを受けた者に限らず、労役場留置中の者も対象です。
仮出場は、拘留の刑期の3分の1を経過した後でなければ許すことができない。
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解答:×
誤りです。刑法30条1項は「情状により、いつでも」と定めています。刑期の3分の1という要件は、仮釈放に関する刑法28条のものです。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「仮釈放は拘禁刑・期間あり、仮出場は拘留と労役場・いつでも」。対にして覚えるのが早道じゃよ。