刑法第16条・総則
刑法第16条:拘留
1日以上30日未満という短い自由刑です。刑事訴訟法の「勾留」と字も読みも似ていますが、まったく別のものである点を確認します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「こうりゅう」って、ニュースでよく聞くやつ? 逮捕されたあと身柄を留められるっていう……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
それは刑事訴訟法の「勾留」じゃ。刑法16条の「拘留」は、判決で言い渡される刑罰のほうでな。まったく別物なのじゃよ。ここは受験生が最初につまずくところじゃ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 拘留拘留刑法16条が定める、1日以上30日未満の期間、刑事施設に拘置する刑。刑事訴訟法上の身柄拘束である「勾留」とは別のものです。用語ページを見る →は、1日以上30日未満とし、刑事施設刑事施設刑務所・少年刑務所・拘置所など、刑の執行や身柄の拘置のために設けられた施設のこと。刑法11条・12条・16条が拘置の場所として定めています。用語ページを見る →に拘置する |
| 2項 | 拘留に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、または必要な指導を行うことができる |
「拘留」と「勾留」の違い
| 拘留(刑法16条) | 勾留(刑事訴訟法) | |
|---|---|---|
| 性質 | 刑罰(主刑主刑それだけで独立して言い渡すことができる刑のこと。刑法9条は、死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種類を主刑としています。用語ページを見る →のひとつ) | 捜査・公判のための身柄拘束 |
| 判断の時点 | 有罪判決の言渡し | 判決の前 |
| 期間 | 1日以上30日未満 | 刑事訴訟法の定めによる |
判決前の身柄拘束は未決勾留未決勾留裁判が確定する前に、被疑者・被告人の身柄を拘束しておくこと。刑法21条により、その日数は全部または一部を本刑に算入することができます。用語ページを見る →と呼ばれ、その日数は刑法21条により本刑に算入することができます。刑法16条の拘留とは、まったく別の制度です。
主刑の中での位置
刑法9条の順序では、拘留は罰金より後に置かれています。刑法10条1項により、これがそのまま重さの序列になるため、罰金のほうが拘留より重い刑という結論になります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
えっ、身体を拘束されるほうが軽いの!?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
日数が最大でも30日未満と短いからのう。刑法20条も、拘留または科料のみに当たる罪については原則として没収を科せないとしておる。刑法の中で最も軽い部類として扱われておるのじゃ。
2項——拘禁刑と同じ書きぶり
2項は刑法12条3項とほぼ同じ文言で、作業・指導を「行うことができる」としています。令和4年の改正で、拘留についても改善更生のための処遇が明文化されました。
資格別の演習
拘留は1日以上30日未満であり、刑事施設に拘置される。
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解答:◯
正しい記述です。刑法16条1項がそのまま定めています。
刑法16条の拘留は、被疑者・被告人の身柄を確保するために判決前に行われる処分である。
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解答:×
誤りです。それは刑事訴訟法上の「勾留」です。刑法16条の拘留は、有罪判決によって言い渡される主刑のひとつであり、刑法9条にも主刑として掲げられています。
刑の軽重において、罰金は拘留より重い刑である。
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解答:◯
正しい記述です。刑法10条1項により主刑の軽重は刑法9条の順序(死刑、拘禁刑、罰金、拘留、科料)によります。罰金は拘留より前に置かれているため、罰金のほうが重い刑です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「拘留は刑、勾留は手続」。漢字を見分けるくせをつけておくと、答案でも混乱せずに済むぞ。