刑法第4条・総則
刑法第4条:公務員の国外犯
在外公館の職員など、日本国の公務員が国外で犯した職務がらみの罪について刑法を適用する規定です。収賄や虚偽公文書作成が並ぶ理由を確認します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
日本人が外国でやった罪は3条で決まってるんだよね。じゃあ、なんでわざわざ公務員だけの条文があるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第3条に並んでおるのは、殺人や窃盗といった一般の罪じゃ。じゃが公務員が国外で職務にからんで犯す罪——収賄や虚偽公文書作成——は、3条には入っておらん。そこを埋めるのが第4条なのじゃよ。
条文の内容
刑法4条は、日本国外において次に掲げる罪を犯した**日本国の公務員(刑法上の)公務員(刑法上の)刑法7条1項が定める、国または地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員・委員その他の職員のこと。「公務に従事する」ことが決め手で、役所に勤めているかどうかではありません。用語ページを見る →**に刑法を適用すると定めます。
| 号 | 罪 |
|---|---|
| 1号 | 看守者等による逃走援助(101条)とその未遂罪 |
| 2号 | 虚偽公文書作成等(156条) |
| 3号 | 公務員職権濫用(193条)、特別公務員暴行陵虐のうち195条2項、収賄・受託収賄及び事前収賄・第三者供賄・加重収賄及び事後収賄・あっせん収賄(197条〜197条の4)、および195条2項の罪に係る特別公務員職権濫用等致死傷(196条) |
適用の要件は「日本国の公務員であること」
第4条が適用されるのは、行為の当時、日本国の公務員である者に限られます。ここでの公務員の意味は刑法7条1項が定めており、国または地方公共団体の職員のほか、法令により公務に従事する議員・委員その他の職員を含みます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
でも、賄賂を渡した側の人はどうなるの? その人は公務員じゃないよね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
鋭いのう。贈賄(198条)は第4条ではなく、第3条6号に挙げられておる。つまり贈った側は「日本国民の国外犯」として処罰される仕組みなのじゃ。もらった側は第4条、渡した側は第3条——分かれておるのがおもしろいところじゃな。
3つの国外犯規定の整理
| 条文 | 手がかり |
|---|---|
| 2条 | 罪の種類(国家の存立・通貨や公文書の信用) |
| 3条 | 犯人が日本国民であること |
| 3条の2 | 被害者が日本国民であること |
| 4条 | 犯人が日本国の公務員であること |
資格別の演習
在外公館に勤務する日本国の公務員が、任国において職務に関し賄賂を収受した場合、刑法が適用される。
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解答:◯
正しい記述です。刑法4条3号は収賄の罪(197条から197条の4まで)を挙げており、日本国の公務員が国外でこれらを犯した場合に刑法が適用されます。
日本国民が日本国外で日本国の公務員に対して賄賂を供与した場合、刑法4条により処罰される。
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解答:×
誤りです。刑法4条は「日本国の公務員」に適用される規定であり、贈賄した私人には及びません。贈賄(198条)は刑法3条6号に列挙されており、日本国民の国外犯として処罰されます。
日本国の公務員が日本国外で虚偽の公文書を作成した場合、刑法4条により処罰される。
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解答:◯
正しい記述です。刑法4条2号は虚偽公文書作成等の罪(156条)を挙げています。なお、公文書偽造等(155条)は刑法2条5号で「すべての者の国外犯」とされている点と対比して押さえておくとよいでしょう。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第4条は「日本の公務がどこで行われても、その清廉さは日本の刑法が守る」という条文じゃ。収賄の顔ぶれが並んでおる理由も、そう考えれば腑に落ちるじゃろう。