刑法第234条の2・信用及び業務に対する罪
刑法第234条の2:電子計算機損壊等業務妨害
電子計算機や電磁的記録を損壊するなどして業務を妨害する罪です。95条の2や168条の2と同じ「意図に反する動作」という言い回しが使われています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「使用目的に沿うべき動作をさせず」——168条の2で見た言い回しに似てる!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よく覚えておったな。コンピュータが思うとおりに動かなくなるという事態を、刑法はいくつかの条文で捉えておる。並べて読むとよいぞ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 人の業務に使用する電子計算機もしくはその用に供する電磁的記録を損壊し、もしくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報もしくは不正な指令を与え、またはその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処する |
| 2項 | 前項の罪の未遂は、罰する |
3つの手段
| 手段 | 条文の言葉 |
|---|---|
| ① | 電子計算機もしくは電磁的記録を損壊 |
| ② | 電子計算機に虚偽の情報もしくは不正な指令を与える |
| ③ | その他の方法 |
同じ言い回しの条文
| 条文 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 刑法95条の2 | 電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、または使用目的に反する動作をさせて、公務を妨害 |
| 刑法168条の2第1項1号 | 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、またはその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録 |
| 刑法234条の2 | 電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、または使用目的に反する動作をさせて、業務を妨害 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
95条の2は公務、234条の2は業務なんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが分かれ目じゃ。守る対象が公務か業務かで条文が分かれ、それぞれの章に置かれておる。95条の2は公務の執行を妨害する罪の章、234条の2は信用及び業務に対する罪の章じゃな。
233条・234条との比較
| 条文 | 手段 | 刑 | 未遂 |
|---|---|---|---|
| 233条 | 虚偽の風説の流布・偽計 | 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | — |
| 234条 | 威力 | 前条の例による | — |
| 234条の2 | 電子計算機・電磁的記録への加害 | 5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | ◯(2項) |
第三十五章で未遂が罰せられるのは、234条の2だけです。
資格別の演習
電子計算機損壊等業務妨害罪の未遂は処罰される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法234条の2第2項が明文で定めています。233条・234条には未遂処罰の規定がありません。
刑法234条の2の法定刑は、刑法233条・234条より重い。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。233条・234条が3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、234条の2が5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第三十五章はここまで。次の第三十六章から、いよいよ財産犯の本体に入るぞ。窃盗と強盗じゃ。