刑法第211条・過失傷害の罪

刑法第211条:業務上過失致死傷等

業務上必要な注意を怠り、または重大な過失により人を死傷させる罪です。注意義務の内容を具体的に判断した最高裁判例があります。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

210条は罰金だけだったのに、211条は5年以下の拘禁刑!

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

117条の2で見た構図と同じじゃ。業務上の過失と重大な過失を、通常の過失から切り出して重く扱う——刑法が繰り返し使う型じゃな。

条文の内容

業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

前段と後段

部分 要件
前段 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた
後段 重大な過失により人を死傷させた

刑はいずれも5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。

209条・210条との比較

条文 過失の質 結果 刑
209条 通常 傷害 30万円以下の罰金または科料
210条 通常 死亡 50万円以下の罰金
211条 業務上・重大 死傷 5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

211条だけ「死傷」でまとめてるんだ。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

よい着眼じゃ。209条と210条は傷害と死亡を分けておるのに、211条は分けておらぬ。過失の質が重ければ、結果の別を問わず同じ枠で扱うという書き方じゃな。

117条の2との比較

条文 対象となる行為 加重事由 刑
刑法117条の2 失火・激発物破裂 業務上必要な注意を怠った/重大な過失 3年以下の拘禁刑または150万円以下の罰金
刑法211条 人の死傷 業務上必要な注意を怠った/重大な過失 5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金

加重事由の書き方はまったく同じです。拘禁刑は211条が重く、罰金は117条の2が重いという、ねじれた関係になっています。

判例——注意義務の具体的な認定

最判平成13年2月7日は、県が発注したトンネル型水路部分を含む水路建設工事につき、トンネル内に周辺の河川からあふれ出た水が流れ込むのを防止する目的で構造物が設置され、当該構造物が周辺の河川からあふれ出た水の水圧で決壊することを予見することができたなどの事実関係の下においては、当該構造物の管理を担当する県職員は、決壊による危険を回避するため、トンネル内で建設工事に従事するなどしていた請負人の作業員らを直ちに退避させる措置を採るべき注意義務があるとしました。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

予見できたか、そして何をすべきだったか——過失犯はこの2つを詰めていく。判決文の組み立てがよく見える一件じゃな。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

重大な過失により人を死傷させた者は、業務上必要な注意を怠って人を死傷させた者と同じ刑に処せられる。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法211条後段が「同様とする」と定めています。

司法試験正誤問題AI生成類題

刑法211条は、傷害の結果と死亡の結果を区別せず、いずれも同じ法定刑としている。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。条文は「人を死傷させた者」とまとめています。209条・210条が結果ごとに分かれているのと対照的です。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

第二十八章はここまで。次の第二十九章は、条文の並びが同意の有無と身分で組まれた章じゃ。

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