刑法第179条・わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪
刑法第179条:監護者わいせつ及び監護者性交等
18歳未満の者を現に監護する者が、その影響力に乗じて行為をする罪です。176条各号の要件を満たさなくても成立する点に意味があります。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
176条の8つの号が出てこない!
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこが179条の核心じゃ。監護者であることによる影響力それ自体を要件に据えておる。暴行も脅迫も要らぬ——立場が要件なのじゃ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条第1項の例による |
| 2項 | 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第177条第1項の例による |
要件を分解する
| 要件 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 相手 | 18歳未満の者 |
| 主体 | その者を現に監護する者 |
| 行為態様 | その立場による影響力があることに乗じて |
| 行為 | わいせつな行為(1項)/性交等(2項) |
監護者監護者18歳未満の者を現に監護する者。刑法179条は、その影響力があることに乗じてわいせつな行為または性交等をした場合に、176条1項・177条1項の例によると定めます。用語ページを見る →という立場にある者だけが主体になれる身分犯身分犯犯人の一定の身分が、犯罪の成立や刑の軽重にかかわる犯罪のこと。刑法65条1項は身分のない者も共犯となるとし、2項は身分により刑に軽重があるときは身分のない者に通常の刑を科すとしています。用語ページを見る →です。
176条・177条との関係
| 条文 | 必要なもの |
|---|---|
| 176条1項・177条1項 | 各号の行為・事由により同意しない意思を貫くことが困難な状態 |
| 179条 | 監護者であることによる影響力があることに乗じたこと |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
年齢の線引きも違うね。176条3項は16歳未満だけど、179条は18歳未満。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい着眼じゃ。条文ごとに年齢の基準が違う——ここは試験で狙われるところじゃぞ。
| 条文 | 年齢 |
|---|---|
| 176条3項・177条3項 | 16歳未満(13歳以上なら5年以上の年齢差が必要) |
| 182条 | 16歳未満(同上) |
| 179条 | 18歳未満(年齢差の要件なし) |
「〜の例による」
179条も自前の法定刑を持ちません。
| 項 | 借りる条文 | 刑 |
|---|---|---|
| 1項 | 176条1項 | 6月以上10年以下の拘禁刑 |
| 2項 | 177条1項 | 5年以上の有期拘禁刑 |
未遂・致死傷
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 180条 | 176条・177条・179条の罪の未遂を罰する |
| 181条1項 | 176条もしくは179条1項の罪等により人を死傷させた場合 |
| 181条2項 | 177条もしくは179条2項の罪等により人を死傷させた場合 |
181条は、179条1項を176条と、179条2項を177条とそれぞれ組にしています。
資格別の演習
刑法179条の相手方は、18歳未満の者である。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法176条3項・177条3項の16歳未満とは基準が異なります。
刑法179条2項の罪は、刑法177条1項の例により処断される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。同項は自前の法定刑を持たず、177条1項の例によります。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の180条は、章のなかの未遂規定じゃ。どの条文が入り、どれが外れておるか確かめよう。