刑法第163条の2・支払用カード電磁的記録に関する罪
刑法第163条の2:支払用カード電磁的記録不正作出等
クレジットカードや預貯金引出用カードを構成する電磁的記録を不正に作る罪です。作出・供用・譲渡し等の3項が同じ刑で並びます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
いわゆるスキミング、っていうやつ?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文はもっと広く書いておる。カードを構成する電磁的記録を不正に作ることじゃな。161条の2があるのに、なぜ別の章を立てたのか——刑の重さを見ればわかるぞ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項前段 | 人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する電磁的記録であって、クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカードを構成するものを不正に作った者は、10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処する |
| 1項後段 | 預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録を不正に作った者も、同様とする |
| 2項 | 不正に作られた1項の電磁的記録を、同項の目的で、人の財産上の事務処理の用に供した者も、同項と同様とする |
| 3項 | 不正に作られた1項の電磁的記録をその構成部分とするカードを、同項の目的で、譲り渡し、貸し渡し、又は輸入した者も、同項と同様とする |
目的の書き方
| 条文 | 目的 |
|---|---|
| 刑法161条の2 | 人の事務処理を誤らせる目的 |
| 刑法163条の2 | 人の財産上の事務処理を誤らせる目的 |
「財産上の」が加わることで、対象が絞られています。
161条の2との比較
| 項目 | 刑法161条の2第1項 | 刑法163条の2第1項 |
|---|---|---|
| 客体 | 権利・義務・事実証明に関する電磁的記録 | 支払用カード・預貯金引出用カードを構成する電磁的記録 |
| 刑 | 5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
私電磁的記録の2倍だ。公電磁的記録(161条の2第2項)と同じ重さだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい比較じゃ。カードはそれ自体が支払の手段として動く。私的な記録でありながら、公の記録に並ぶ重さで守られておるのじゃな。
3項——カードそのものの流通
1項・2項が電磁的記録を対象とするのに対し、3項はその記録を構成部分とするカードを対象とします。譲り渡し・貸し渡し・輸入の3つが並びます。
未遂
第163条の5により、163条の2と163条の4第1項の罪の未遂は罰せられます。
資格別の演習
預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録を不正に作った者は、クレジットカードの場合と同じ刑に処せられる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法163条の2第1項後段が「同様とする」と定めています。
刑法163条の2第1項の法定刑は、刑法161条の2第1項より重い。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。161条の2第1項が5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、163条の2第1項が10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
次の163条の3は、持っているだけを捉える条文じゃ。