刑法第142条・飲料水に関する罪
刑法第142条:浄水汚染
人の飲料に供する浄水を汚染し、使用できないようにする罪です。第十五章の入口として、水道か否か・汚染か毒物混入かで条文が分かれる構造を確認します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
井戸に何か入れる、みたいな話?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文は「人の飲料に供する浄水」としか書いておらん。水道かどうか、毒かどうか——その2つの軸で、第十五章は6つの条文に枝分かれしていくのじゃ。まずは入口のこの条文からじゃな。
条文の内容
人の飲料に供する浄水を汚染し、よって使用することができないようにした者は、六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
要件を分解する
| 要件 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 客体 | 人の飲料に供する浄水 |
| 行為 | 汚染し |
| 結果 | よって使用することができないようにした |
| 刑 | 6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 |
浄水汚染浄水汚染人の飲料に供する浄水を汚染し、よって使用することができないようにすること(刑法142条)。用語ページを見る →罪は、汚染するだけでは足りず、使用できなくなったという結果を条文が要求しています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「よって」が入ってるのは、そういう意味なんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。110条の「よって公共の危険を生じさせた」と同じ形じゃ。「よって」の後ろが結果要件——覚えておくとよい目印になるぞ。
第十五章の見取り図
| 条文 | 対象 | 行為 | 刑 |
|---|---|---|---|
| 142条 | 人の飲料に供する浄水 | 汚染 | 6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金 |
| 143条 | 水道により公衆に供給する飲料の浄水・水源 | 汚染 | 6月以上7年以下の拘禁刑 |
| 144条 | 人の飲料に供する浄水 | 毒物等の混入 | 3年以下の拘禁刑 |
| 145条 | 142条から144条までの罪 | 死傷の結果 | 傷害の罪と比較して重い刑 |
| 146条 | 水道により公衆に供給する飲料の浄水・水源 | 毒物等の混入 | 2年以上の有期拘禁刑(死亡させたときはさらに重い) |
| 147条 | 公衆の飲料に供する浄水の水道 | 損壊・閉塞 | 1年以上10年以下の拘禁刑 |
第十五章は、**「水道か否か」と「汚染か毒物混入か」**の組み合わせで刑が段階的に上がっていきます。142条はその最も軽い出発点です。
資格別の演習
人の飲料に供する浄水を汚染しても、使用することができない状態に至らなければ、刑法142条の要件を満たさない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。条文は「よって使用することができないようにした者」と、結果を要件としています。
水道により公衆に供給する飲料の浄水を汚染した場合は、刑法142条ではなく刑法143条の対象となる。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。水道により公衆に供給する浄水・水源の汚染は、刑法143条が6月以上7年以下の拘禁刑で処罰します。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
——ここまでで、刑法第96条の5から第142条まで読み通したことになる。逃走・犯人蔵匿・騒乱・放火・出水・往来・住居・秘密・あへん煙、そして飲料水の章の入口じゃ。第143条から先は、また次の旅じゃな。