刑法第135条・秘密を侵す罪
刑法第135条:親告罪(秘密を侵す罪)
秘密を侵す罪を親告罪とする条文です。秘密を守るための手続が、かえって秘密を広げてしまわないための仕組みです。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
なんで秘密の罪だけ、告訴が要るんだろう。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい問いじゃ。裁判になれば、その秘密は法廷で扱われることになる。訴追すること自体が、被害者にとって不利益になりうる——だから本人の意思にかからせておるのじゃな。
条文の内容
この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
対象となる罪
| 条文 | 罪 |
|---|---|
| 133条 | 信書開封信書開封正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けること(刑法133条)。刑法135条により親告罪です。用語ページを見る → |
| 134条1項 | 秘密漏示秘密漏示医師・薬剤師・弁護士・公証人など刑法134条が列挙する職にある者(またはあった者)が、正当な理由がないのに、業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らすこと。用語ページを見る →(医師・弁護士等) |
| 134条2項 | 秘密漏示(宗教・祈祷・祭祀の職) |
親告罪親告罪告訴がなければ公訴を提起することができない罪。刑法135条は、秘密を侵す罪(信書開封罪・秘密漏示罪)を親告罪としています。用語ページを見る →とは
親告罪親告罪告訴がなければ公訴を提起することができない罪。刑法135条は、秘密を侵す罪(信書開封罪・秘密漏示罪)を親告罪としています。用語ページを見る →は、告訴がなければ公訴を提起することができない罪です。犯罪の成立とは別の、訴追の条件にかかわる仕組みです。
| 段階 | 親告罪での扱い |
|---|---|
| 犯罪の成立 | 告訴の有無に関係なく判断される |
| 公訴の提起 | 告訴がなければできない |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
罪にはなるけど、起訴できないってことか。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。刑法105条の「刑を免除することができる」とも、また違う仕組みじゃ。どの段階で働く規定なのかを意識して読み分けよ。
誰が告訴できるか
最判平成24年2月13日は、医師が鑑定の過程で知り得た鑑定対象者本人以外の者の秘密を漏示した場合には、その秘密を漏示された者は刑訴法230条にいう「犯罪により害を被った者」として告訴権を有するとしました。
資格別の演習
秘密漏示罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法135条が第十三章の罪を親告罪としています。
刑法135条により、告訴がなければ秘密漏示罪は成立しない。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。同条が定めるのは「公訴を提起することができない」ということであり、犯罪の成立自体を否定するものではありません。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第十三章はここまで。次の第十四章は、明治の刑法制定当時の社会がそのまま映った、少し変わった章じゃ。