刑法第112条・放火及び失火の罪
刑法第112条:未遂罪(放火の罪)
放火罪のうち未遂が処罰されるのは108条と109条1項に限られます。「この章の罪」ではなく条文を名指ししている点が重要です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
102条は「この章の罪の未遂は、罰する」だったのに、こっちは条文を名指ししてる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
よい着眼じゃ。名指しは限定を意味する。書かれていない条文の未遂は罰せられぬ、ということじゃな。
条文の内容
第百八条及び第百九条第一項の罪の未遂は、罰する。
未遂処罰の範囲
| 条文 | 罪 | 未遂処罰 |
|---|---|---|
| 108条 | 現住建造物等放火 | ◯ |
| 109条1項 | 非現住建造物等放火(他人所有) | ◯ |
| 109条2項 | 非現住建造物等放火(自己所有) | 規定なし |
| 110条1項・2項 | 建造物等以外放火 | 規定なし |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
自己所有の場合は未遂を罰しないんだ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
109条2項も110条も、公共の危険が生じてはじめて処罰される類型じゃからな。危険が生じておらぬ段階を捉える未遂とは、そもそも相性が悪いのじゃ。
102条との書きぶりの違い
| 条文 | 書き方 | 範囲 |
|---|---|---|
| 刑法102条(逃走の罪) | 「この章の罪の未遂は、罰する」 | 章全体 |
| 刑法112条(放火の罪) | 「第108条及び第109条第1項の罪の未遂は、罰する」 | 名指しした2つのみ |
| 刑法141条(あへん煙に関する罪) | 「この章の罪の未遂は、罰する」 | 章全体 |
資格別の演習
建造物等以外放火罪(刑法110条1項)の未遂は処罰される。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。刑法112条が未遂処罰の対象とするのは、108条および109条1項の罪に限られます。
自己の所有に係る非現住建造物への放火(刑法109条2項)については、未遂処罰の規定がない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法112条は109条1項のみを挙げています。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
未遂よりさらに手前。火をつける前の段階を捉えるのが、次の113条じゃ。