刑法第107条・騒乱の罪
刑法第107条:多衆不解散
暴行・脅迫のため集合した多衆が、解散命令を3回以上受けても解散しない罪です。条文が「三回以上」と回数まで定めているのが特徴です。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
「三回以上」って、条文に回数が書いてあるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そうじゃ。刑法の条文で回数まで書いてあるのは珍しい。数えられる要件として置かれておる。
条文の内容
暴行又は脅迫をするため多衆が集合した場合において、権限のある公務員から解散の命令を三回以上受けたにもかかわらず、なお解散しなかったときは、首謀者は三年以下の拘禁刑に処し、その他の者は十万円以下の罰金に処する。
要件を分解する
| 要件 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 前提 | 暴行又は脅迫をするため多衆が集合した |
| 命令 | 権限のある公務員から解散の命令を3回以上受けた |
| 行為 | それにもかかわらず、なお解散しなかった |
刑は2段階
| 立場 | 刑 |
|---|---|
| 首謀者首謀者内乱において中心となった者。刑法77条1項1号は、首謀者を死刑または無期拘禁刑としており、同項が定める3つの区別のうち最も重い扱いです。用語ページを見る → | 3年以下の拘禁刑 |
| その他の者 | 10万円以下の罰金 |
多衆不解散多衆不解散暴行または脅迫をするため多衆が集合した場合に、権限のある公務員から解散の命令を3回以上受けたにもかかわらず解散しないこと(刑法107条)。用語ページを見る →罪では、106条のような3段階ではなく、首謀者とその他の2段階です。
106条との関係
| 条文 | 場面 |
|---|---|
| 107条 | 暴行・脅迫のため集合したが、まだ暴行・脅迫に至っていない段階で、解散命令に従わない |
| 106条 | 実際に暴行または脅迫をした |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
107条のほうが、ひとつ手前の段階なんだね。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そのとおり。条文は、暴れる前に解散させるという道筋を作っておる。そのために「権限のある公務員」の命令という手続を要件に組み込んだのじゃ。
資格別の演習
多衆不解散罪が成立するには、権限のある公務員から解散の命令を3回以上受けたことが必要である。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法107条は「解散の命令を三回以上受けたにもかかわらず」と明記しています。
多衆不解散罪は、騒乱罪と同じく、首謀者・指揮者等・付和随行者の3段階に分けて処断される。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。刑法107条は「首謀者」と「その他の者」の2段階です。3段階に分けるのは刑法106条です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第八章はここまで。次の第九章は条文の数も多く、刑法各論でも屈指の重要分野——放火及び失火の罪じゃ。