刑法第102条・逃走の罪
刑法第102条:未遂罪(逃走の罪)
第六章「逃走の罪」の未遂をまとめて処罰する条文です。「この章の罪」という書き方が、どこまでを指すのかを確認します。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
たった1行! 「この章の罪の未遂は、罰する。」だけ。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
短いが、効き目は大きいぞ。刑法44条が「未遂を罰する場合は、各本条で定める」としておるからな。この1行がなければ、逃走の未遂は不可罰なのじゃ。
条文の内容
この章の罪の未遂は、罰する。
「この章」が指す範囲
第102条がいう「この章」は、第2編第6章「逃走の罪」です。
| 条文 | 罪名 | 未遂処罰 |
|---|---|---|
| 97条 | 逃走 | ◯ |
| 98条 | 加重逃走 | ◯ |
| 99条 | 被拘禁者奪取 | ◯ |
| 100条 | 逃走援助 | ◯ |
| 101条 | 看守者等による逃走援助 | ◯ |
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
ぜんぶ入るんだね。条文ごとに「未遂は罰する」と書かなくていいから、すっきりしてる。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
章単位でまとめて処理する書き方じゃな。同じやり方は、あへん煙に関する罪の第141条にも出てくるぞ。
未遂の一般ルール
未遂未遂犯罪の実行に着手して、これを遂げないこと(刑法43条本文)。未遂を罰するかどうかは、刑法44条により各本条が定めます。用語ページを見る →は、実行の着手実行の着手犯罪の実行行為を開始すること。刑法43条は「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者」を未遂としており、着手があってはじめて未遂が問題になります。用語ページを見る →があって、かつ結果が生じなかった場合をいいます(刑法43条本文)。刑を減軽することができるとされる任意的減軽です。
自己の意思により犯罪を中止した中止未遂中止未遂自己の意思により犯罪を中止した場合の未遂(刑法43条ただし書)。刑は必ず減軽または免除されます。用語ページを見る →であれば、刑法43条ただし書により、刑は必ず減軽または免除されます。
資格別の演習
刑法102条により、被拘禁者奪取罪の未遂も処罰される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。同条は「この章の罪の未遂は、罰する」と定め、第六章の各罪を包括しています。
刑法102条がなくても、逃走罪の未遂は当然に処罰される。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。刑法44条は「未遂を罰する場合は、各本条で定める」としており、未遂処罰には個別の規定が必要です。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
第六章はここまで。次の第七章は、犯人をかくまう者・証拠を消す者を捉える章じゃ。