刑法第96条の4・公務の執行を妨害する罪

刑法第96条の4:強制執行関係売却妨害

偽計・威力を用いて、強制執行において行われ、または行われるべき売却の公正を害すべき行為を処罰します。「行われるべき」まで含む射程の広さが特徴です。

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レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

差し押さえた物を売るところまで、法律が守るの?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

むしろそこが肝心じゃ。売却がうまくいかねば、強制執行妨害強制執行妨害きょうせいしっこうぼうがい強制執行の実効性を害する行為。刑法96条の2から96条の4までが、財産の隠匿等・執行行為の妨害・売却の公正を害する行為をそれぞれ処罰しています。用語ページを見る →を防いだ意味がない。第96条の4は、売却の公正を正面から守る条文なのじゃよ。

条文の内容

偽計又は威力を用いて、強制執行において行われ、又は行われるべき売却の公正を害すべき行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

要件を分解する

要件 条文の言葉
手段 偽計偽計ぎけい相手をあざむいたり、相手の勘違いや不知を利用したりする手段。刑法96条の3・96条の4は「偽計又は威力を用いて」妨害する行為を処罰します。用語ページを見る →または威力威力いりょく相手の意思を押さえつけるような有形無形の力。刑法96条の3・96条の4は「偽計又は威力を用いて」妨害する行為を処罰します。用語ページを見る →
対象 強制執行において行われ、又は行われるべき売却
行為 その公正を害すべき行為
刑 3年以下の拘禁刑もしくは250万円以下の罰金、またはこれを併科

レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長

「行われるべき売却」って、まだ始まっていない売却のこと?

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

そう読める書きぶりじゃな。すでに行われている売却だけでなく、これから行われるはずの売却も対象になる。条文が射程を先に伸ばしておるのじゃ。

「公正を害すべき行為」

条文は「公正を害した」ではなく「公正を害すべき行為」と書いています。結果の発生ではなく、行為の性質を捉える書き方です。

条文 結果の要求
刑法95条の2 「動作をさせず、又は……反する動作をさせた」=結果を要求
刑法96条の4 「公正を害すべき行為をした」=行為の性質を捉える

96条の2〜96条の4の並び

第96条の2から第96条の4までは、強制執行という手続を、段階を追って守っています。

条文 守る場面 手段
96条の2 執行の対象となる財産 隠匿・損壊・仮装・不利益な譲渡等
96条の3第1項 執行の行為 偽計・威力
96条の3第2項 執行の申立て 暴行・脅迫
96条の4 執行における売却 偽計・威力

いずれも法定刑は「3年以下の拘禁刑もしくは250万円以下の罰金、またはこれを併科」で共通しています。

資格別の演習

司法書士正誤問題AI生成類題

偽計または威力を用いて、強制執行において行われるべき売却の公正を害すべき行為をした者は、処罰される。

解答・解説を見る

解答:◯

正しい記述です。刑法96条の4は「行われ、又は行われるべき売却」と定めており、これから行われる売却も対象としています。

司法試験正誤問題AI生成類題

刑法96条の4の罪が成立するには、売却の公正が現実に害されたことが必要である。

解答・解説を見る

解答:×

誤りです。条文は「公正を害すべき行為をした者」と定めており、結果の発生を要件として挙げていません。

ガレ博士フクロウ / 駅長補佐

ここまでで、刑法第37条から第96条の4まで——総則の残り全部と、第二編の入口を読み通したことになる。第96条の5・第96条の6から先は、また次の旅じゃ。

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