刑法第18条・総則
刑法第18条:労役場留置
罰金や科料を納められない場合に労役場へ留置する制度です。期間の上限、併科されたときの通算、言渡しの方法、一部納付の計算まで6項にわたって定められています。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
罰金を払えなかったら、どうなっちゃうの? 借金みたいに取り立てられるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
刑罰じゃからな、払えぬからといって「なかったこと」にはできん。そこで用意されているのが労役場留置じゃ。第18条は6項もある、意外に細かい条文なのじゃよ。
条文の内容
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 1項 | 罰金罰金一定額のお金を強制的に取り立てる財産刑。刑法15条により1万円以上で、減軽するときは1万円未満に下げることができます。用語ページを見る →を完納できない者は、1日以上2年以下の期間、労役場に留置する |
| 2項 | 科料科料刑法17条が定める、千円以上1万円未満の財産刑。行政上の制裁である「過料」とは別のもので、区別のため「とがりょう」と読み分けることがあります。用語ページを見る →を完納できない者は、1日以上30日以下の期間、労役場に留置する |
| 3項 | 罰金を併科した場合・罰金と科料を併科した場合の留置期間は3年を超えられない。科料を併科した場合は60日を超えられない |
| 4項 | 罰金・科料の言渡しをするときは、その言渡しとともに、完納できない場合の留置期間を定めて言い渡さなければならない |
| 5項 | 罰金は裁判確定後30日以内、科料は裁判確定後10日以内は、本人の承諾がなければ留置を執行できない |
| 6項 | 一部を納付した者の留置日数は、残額を留置1日あたりの金額で除して得た日数(1日未満の端数は1日とする) |
期間の数字を押さえる
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
数字がいっぱい……。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
表にすれば見通せるぞ。単独の場合と、併科の場合を分けて覚えるのじゃ。
| 単独 | 併科したときの上限 | |
|---|---|---|
| 罰金 | 1日以上2年以下(1項) | 3年(3項前段) |
| 科料 | 1日以上30日以下(2項) | 60日(3項後段) |
4項——言渡しは必ずセット
4項は「言渡しとともに……定めて言い渡さなければならない」と定めています。判決の段階で、罰金額と一緒に「完納できないときは1日あたり◯円で換算して労役場に留置する」という内容まで言い渡す仕組みです。
5項——すぐには執行できない
裁判が確定してすぐに留置してしまうと、納付する機会がありません。そこで5項は、罰金なら30日、科料なら10日の猶予を置き、その間は本人の承諾がなければ留置を執行できないとしました。
6項——一部を払った場合
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
半分だけ払ったら、留置も半分になるの?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
条文どおりに計算するのじゃ。残額 ÷ 1日あたりの換算額で日数を出し、1日未満の端数が出たら1日に切り上げる。払った分だけ日数が減る仕組みになっておるのじゃよ。
資格別の演習
罰金を完納することができない者は、1日以上2年以下の期間、労役場に留置される。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法18条1項が定めています。科料の場合は同条2項により1日以上30日以下です。
罰金の裁判が確定したときは、直ちに労役場留置を執行することができる。
解答・解説を見る
解答:×
誤りです。刑法18条5項により、罰金については裁判確定後30日以内(科料は10日以内)は、本人の承諾がなければ留置の執行をすることができません。
罰金と科料とを併科した場合における労役場留置の期間は、3年を超えることができない。
解答・解説を見る
解答:◯
正しい記述です。刑法18条3項前段は「罰金を併科した場合又は罰金と科料とを併科した場合における留置の期間は、三年を超えることができない」と定めています。科料を併科した場合の上限は60日です(同項後段)。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「罰金は2年・科料は30日、併科なら3年・60日」。数字の対応さえ押さえれば、第18条は怖くないのじゃ。