刑法第5条・総則
刑法第5条:外国判決の効力
外国で有罪判決が確定していても、日本で改めて処罰することは妨げられません。ただし外国で刑の執行を受けていれば、日本での刑の執行は減軽または免除されます。
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
外国でもう裁判を受けて刑務所にも入ったのに、日本に帰ってきてまた裁判? それって二度罰せられてるってことじゃないの!?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
そこがまさに第5条の問いじゃな。条文は「妨げない」と言い切っておる。ただし、まるごと二重に苦しませるわけではないのじゃよ。ただし書をよく読んでごらん。
条文の内容
刑法5条は1つの文と、そのただし書からできています。
| 部分 | 内容 |
|---|---|
| 本文 | 外国において確定裁判確定裁判上訴などによってもう争えなくなり、内容が動かせなくなった裁判のこと。刑法5条は、外国で確定裁判を受けても日本で改めて処罰することを妨げないとしています。用語ページを見る →を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない |
| ただし書 | 犯人が既に外国において言い渡された刑の全部または一部の執行を受けたときは、刑の執行を減軽し、又は免除する |
「処罰」と「刑の執行」を分けて考える
この条文の要点は、有罪の言渡しをすることと、その刑を実際に執行することを切り離している点にあります。
- 外国の判決があっても、日本の裁判所は改めて審理し、有罪判決を言い渡すことができる(本文)
- しかし、外国で現に刑の執行を受けているなら、日本での執行は減軽または免除される(ただし書)
レガちゃんパグ犬 / 見習い駅長
じゃあ、外国で判決は出たけどまだ刑務所に入っていない場合は?
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
ただし書の要件は「執行を受けたとき」じゃ。言渡しを受けただけで執行を受けておらんのなら、この減免は働かん。条文の言葉どおりに読むのが大事じゃよ。
「減軽し、又は免除する」の読み方
ただし書は「減軽し、又は免除する」と書かれています。「することができる」ではありません。要件を満たせば、減軽か免除かのどちらかを必ず行う——つまり必要的な減免です。どちらを選ぶかは裁判所の判断にゆだねられます。
資格別の演習
外国において確定裁判を受けた者について、同一の行為を理由に日本で更に処罰することは妨げられない。
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解答:◯
正しい記述です。刑法5条本文がそのまま定めています。外国判決には日本での一事不再理の効力が認められていません。
外国で刑の執行を受けた者について、日本の裁判所は刑の執行を免除することができるが、減軽することはできない。
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解答:×
誤りです。刑法5条ただし書は「刑の執行を減軽し、又は免除する」と定めており、減軽と免除の双方が予定されています。しかも「する」と書かれた必要的な減免です。
外国において有罪判決の言渡しを受けたものの、その刑の執行を全く受けていない者についても、刑法5条ただし書により日本での刑の執行が減軽される。
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解答:×
誤りです。刑法5条ただし書の要件は「既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の執行を受けたとき」です。執行を受けていない場合には、この減免は適用されません。
ガレ博士フクロウ / 駅長補佐
「裁判はやり直せる。じゃが、受けた苦しみは差し引く」。第5条はそういうバランスの取り方をしておるのじゃ。